tendo 美しくしなやかな曲線を描く成形合板技術が特徴の「天童木工」

材料である木を大切に育てていくのが家具作りの基本

株式会社天童木工は、1940 年に山形県天童町とその周辺の木工関係の業者が集合し、天童木工家具建具工業組合を作ったのが始まりの家具メーカーです。その技術力とシンプルながらも魅力的なデザインで、皇室をはじめ、公共施設や老舗旅館や一流ホテルなどへの家具納入実績を持つ、高級家具メ ーカーで、材料である木を大切に取り扱っているというのが印象的であります。

家具に適した木材を世界中から仕入れ、その後 1 年~5 年もかけて屋外で自然乾燥させながら木に大きな負荷が掛からないようにしてじっくりと水分を抜いていきます。これは成形した時の割れや反り返りを防ぐためで、手間を掛けることにより木を鍛えて丈夫で長持ちする質の高い家具を作ることができるのです。昨今、家具メーカーの多くが生産の効率化やコストダウンを図るなか、古くから引き継ぐ伝統や技術を今でも踏襲するこだわりのメーカーの一つです。

美しくしなやかなフォルムを実現する成形合板「プライウッド」

天童木工では、1947 年に PLYWOOD(プライウッド)と呼ばれる成形合板の技術を取り入れ、国内でいち早く実用化しました。天童木工で生産される家具の特徴として、硬くて丈夫という家具のイメージを払拭し、「衝撃を吸収できるしなやかさ」を基本性能として考えているのがポイント。これにより「強くて軽い」という相反する性格を保つことができるのです。

一例ですが、2016年のリオ・オリンピックでは日本の卓球台が採用され、台の脚のフォルムの美しさが話題になりました。実はこの卓球台は天童木工が担当したもの。このように、無垢材では表現の難しい美しく柔らかな曲線のデザインはプライウッドでなければ作れません。日常使いの家具のなかで、この美しく柔らかな曲線美がよくわかるのが、背もたれの高いハイバックチェアです。天童木工のチェアの大半が背もたれが人間の背中に合わせて湾曲しており、さらに肘掛け以外は継ぎ目のない一体型で、一度座ると離れがたい心地よさがあるそうです。

建築家やデザイナーとプレイウッドの美しい融合が代名詞

天童木工では、剣持勇氏、柳宗理氏、丹下健三氏、黒川紀章氏など、錚々たる建築家やデザイナーとのコラボレーションによる名品をたくさん製造しており、様々な新たな取り組みも精力的に行っています。中でも、包丁やキッチンツールでのその名を知られた柳宗理氏デザインの「バタフライスツール」は 1956 年の発表からのタイムレスデザインで、一目見たら忘れられないユニークでありながら優雅な曲線を持つ椅子。左右で互いに支え合うような姿に結婚のプレゼントにも選ばれることが多いそうです。

もうひとつ、1960 年に発表した低座イスもぜひ見ていただきたい一品です。
当時、スイス生まれの建築家ル・コルビュジエに師事した坂倉準三の建築研究所に当時所属していた、長大作氏がデザインした和室で使用できる低い椅子で、天童木工の代名詞と言える美しい曲線がふんだんに盛り込まれた特徴的な座イス(LeglessChair)です。足を伸ばしても、あぐらをかいても座れることから歌舞伎役者も楽屋で愛用しているようで、後ろから見たその姿は背もたれのカーブと脚の直線とのコントラストが可愛らしさを感じさせ、愛着の沸く座イスとなることでしょう。

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