シラカワ

シラカワプロフィール

1960年に「株式会社白川製材所」として岐阜県高山市で製材業を創業。1965年に下請けでテレビの脚などの製造を開始、1971年に家具製造業へ業種転換する。組織の製販分離と再統合を経て、2003年に「株式会社シラカワ」に商号変更。
創業以来の製品コンセプト「日本のモダン」を貫き、和の歴史文化を踏まえた独自のデザインを確立。飛騨の匠の技が込められた複雑な曲面・曲線を持つ家具を作り続けている。
代表シリーズは「ラプト」「凛」など。「曲木」の成形技法を用いたダイニングチェアやテーブル、ソファなど脚物家具のほかに、5cm刻みでサイズ指定できるシステムオーダーボードも手がける。

100年後も新鮮な「日本のモダン」を目指して

創業100年を超える飛騨産業をはじめ、飛騨地方は椅子やテーブルのダイニング家具、ソファなど「脚物家具」の家具産地として誕生し、今日まで発展してきました。そのなかで1960年に製材業で創業、1971年に家具製造に業種転換したシラカワは、飛騨の家具メーカーとしては後発です。

シラカワの創業から変わらない製品コンセプトは「日本のモダン」。これはヨーロッパの模倣的なモダンデザインではなく、千数百年に及ぶ日本の歴史文化のなかで育まれてきた「和風」という優れた文化を踏まえた独自のデザインを意味しています。
飛騨の家具には線が細く、軽さと丈夫さを追求したチェアもありますが、シラカワの家具は厚みのある無垢材を使用した、重厚感と存在感をたたえたフォルムが大きな特徴です。

飛騨の家具の特徴である「曲木」の技法など、絶妙な曲面・曲線、複雑なラインと質感の表現は当然工程も多く、量産化の実現には多大な努力と度重なる試行錯誤がありました。
飛騨の匠の精神を受け継ぐシラカワの職人たちは、治具(じぐ)を開発することで切削や組立を容易にし、他社には真似できないような美しい曲面・曲線をもつ家具の量産化に成功しました。

製造用語の基礎知識

治具(じぐ)

機械工作で部品の加工位置を正確に定め、刃物や工具を正しく当てるために用いる道具の総称。同義の英単語「jig」が由来で、治具の漢字は当て字。治具を導入する最大のメリットは、職人の熟練度に左右されず、同一形状の製品の仕上がりのバラつきを最小限に抑え、迅速に大量生産できることにある。

1982年発売の「LAUTREC(ロートレック)」は、シラカワが目指す「日本のモダン」の原点であり、ロングセラーのひとつ。「RENOIR(ルノワール)」はシラカワが誇る曲面・曲線美の集大成として、1994年に発売されました。

LAUTREC(ロートレック)

RENOIR(ルノワール)

ー100年経っても旧さを感じさせない家具をつくりたい
ー100年使える丈夫さ
ー修理しながらでも使い続けたいと思える、愛着のもてる家具をつくりたい

シラカワが掲げるものづくりの哲学「100年モダン」の原点です。シラカワでは、現代の飛騨の匠として、新しい伝統をつくり続けています。

シラカワの白川勝規会長のインタビューを読む

飛騨観光の途中で「匠館」にぶらりと寄り道

城下町の趣を残す町並や、マイナスイオンたっぷりの滝、北アルプスの絶景を臨むロープウェイなど、人気の観光スポットが数多い飛騨地方。
シラカワでは、高山市にある本社ショールーム「匠館」を家具の展示のみならず、飛騨・高山に旅行で訪れる人をおもてなしする「街の駅」として2004年にグランドオープンしました。匠館では、飛騨の木工クラフト品やお土産を扱うショップ、カフェ、本格イタリアンのレストランなどの観光事業を展開しています。
建物外観のデザインをはじめ、館内のカフェ・レストランに配置している家具にもメーカーらしい強いこだわりが感じられ、訪れた人の目を惹きます。

匠館は、地元の人や観光客で毎朝にぎわう「宮川朝市」の通りに面し、古い町並から徒歩1分と好アクセスな立地。各所の観光スポットをめぐる途中の休憩ついでに食事、買物を楽しんで、引き続き飛騨高山の観光を堪能できます。

心地よいナチュラルモダン NEW RAPT(ニューラプト)

「ニューラプト」は日本を代表する家具デザイナー・佐戸川清氏によるナチュラルモダンなシリーズです。開発コンセプトは大自然の造型。鷲(ワシ)・鷹(タカ)・鳶(トビ)などの猛禽類が持つ鋭い爪やくちばし、強力な翼をモチーフにしています。

ーシーンに応じて形を変えられるソファ

「ニューラプト」のリビングソファは高さ74cmのロータイプで、大型家具特有の圧迫感を感じさせません。
背・座のクッションは、腰かけると程よく沈み込む適度な柔らかさです。継ぎ目の無い一本仕立てで、どこに座っても違和感のない同じ座り心地を感じられます。奥行きのある座面に深く寄りかかるのはもちろん、ひざを抱えたりあぐらをかいて寛ぐのもおすすめです。
背・座・肘の置きクッションは取り外しが可能です。背クッションを外してゆったり寝転んだり、外した背クッションをソファの前に置き、床に座るときの背当てにするなど、いろいろな使い方ができます。

ー後ろ姿も美しい無垢材のフレーム

木製フレームの背もたれは「曲木」による美しい曲線が特徴的です。
曲木は一本の木に熱と水分を加えて曲げる、高度な成型技術です。金属やプラスチックと違い、自然素材の木材を思い通りに曲げるのは至難の技。それをここまで美しく仕上げられるのは、飛騨の匠の技を受け継いでいるからこそ。
曲面を描く背もたれのクッションが背中にフィットし、別売りのヘッドレストが肩口から頭部を支え、体を包み込む安堵感や心地よさをもたらします。

ー「ニューラプト」LINE UP

「ニューラプト」には両肘がクッション仕様の2人掛・2.5人掛・3人掛のリビングソファをはじめ、片肘タイプ、カウチ、アームレス、木肘のコンパクトソファ、パーソナルソファ、スツールなど、さまざまなタイプ・サイズのソファがあります。
ソファのほかにもダイニングテーブル・チェア、テレビボード、リビングテーブル、サイドテーブル、シェルフ、チェストとラインナップが充実しており、リビングとダイニングをナチュラルモダン一色に揃えられます。

ストイックと温もりが融合したデザイン凛(りん)

飛騨高山の自然で育まれてきた匠の技と美的な感性を土台にして、ストイックなフォルムでありながら、温もりをたたえたデザイン。
2018年発表の「凛(りん)」は、デザインの本場、北欧デンマークで認められた数少ない日本人デザイナー・岩倉榮利氏の遺作です。製品の細部に宿る「家具と共に時を重ねる喜びを感じてほしい」という岩倉氏の思いが感じられます。

ースレンダーなダイニングチェア

「凛」のダイニングチェアは、座面幅が約54cmのゆったり設計。勉強や趣味など食事以外の時間を過ごすのもはかどります。
座面には、人間の脂肪に近い感覚といわれ、体圧分散と耐久性に優れる布バネ「ダイメトロール」を使用しています。座面はカバーリング仕様で、メンテナンスも簡単です。
「曲木」の加工により優しい曲線を描くワイドな背もたれが体をしっかり支えます。
スリムな見た目の通り、木製チェアながら約4kg(アームチェアは約5kg)と軽く、お子さんや女性、年配の方でも扱いやすい椅子です。

ーシャープかつ安定感のあるダイニングテーブル

「凛」のダイニングテーブルは、縁を斜めにカットした厚さ3cmのシャープな天板と、平らな木材を使った末広がりの4本脚が特徴的です。
部材は丁寧に面取りをほどこし、体をぶつけてもケガをしにくい優しいデザイン。テーブルの強度を増すために天板の裏側を囲う「幕板」を取り払い、かわりに強力な金具で固定して耐久性・安定感を補強。さらに天然木特有の反りも防いでいます。
幕板がないぶん足下の空間が広く、全体にすっきりした印象を与えています。
天板の幅は150cmから220cmまで7サイズあります。高さ70cmのテーブル脚は1cm刻みでカットオーダーできます。

ー「凛」LINE UP

「凛」のダイニングチェアは幅54cmのアームレスチェアのほかに、幅48cmのコンパクトタイプや、幅62.5cmのフルアーム、幅51.5cmのセミアームチェアとバリエーション豊かです。
そのほか、1人掛・2人掛・3人掛・3.5人掛のソファ、ハイバックのパーソナルチェアやスツール、幅75.5cmのイージーチェア、突板天板とガラス天板の2タイプ・2サイズのリビングテーブルを展開しています。

5cm刻みでオーダーできる収納家具

シラカワの「システムオーダーボード」は、リビングボード、テレビボード、キャビネットなどをベースに、横幅や高さを5cm刻みでオーダーできる家具です。
サイズ指定のほかに塗装色、扉や引き出しのタイプ・位置なども複数のラインナップの中から選択可能。設置する場所、使い勝手、デザインの自由度が高く、いくつかのボードを組み合わせて、統一感を損なわないオリジナルの収納家具を作ることもできます。