飛騨の家具とは、岐阜県北部に位置する飛騨地方(飛騨市・高山市を中心とするエリア)で作り出される家具のこと。
その最大の特徴は「曲木(まげき)」で表現されたしなやかで美しいフォルムにあります。山林に囲まれた飛騨は、ドイツからもたらされた曲木の成型技法をきっかけに、1920年頃から日本有数の家具産地へと発展していきました。
「飛騨の家具」は商標登録されており、厳しい認定基準を満たした8つの家具メーカーだけが、この名称を使用することができます。
その最大の特徴は「曲木(まげき)」で表現されたしなやかで美しいフォルムにあります。山林に囲まれた飛騨は、ドイツからもたらされた曲木の成型技法をきっかけに、1920年頃から日本有数の家具産地へと発展していきました。
「飛騨の家具」は商標登録されており、厳しい認定基準を満たした8つの家具メーカーだけが、この名称を使用することができます。
飛騨の家具の始まり
森林資源が豊富な飛騨地方は、伝統的な技術を持つ「匠(たくみ)」と称される職人が大勢おり、木材加工業が盛んです。なかでも約100年前の大正時代に始まった家具生産は、日本を代表する洋風家具「飛騨の家具」として広く知られています。
ちなみに大正時代よりさらに昔、約1300年前の飛鳥・平安時代の頃、飛騨の匠たちは、木工や建築の技術を買われ、奈良・京都の都づくりに協力・派遣されていました。過去の文献資料に、納税を免除する代わりに匠の派遣を法律で義務づけていた記録が残っており、時の政府が飛騨の匠の腕を重宝していたことがうかがえます。
飛騨の匠の解説
ちなみに大正時代よりさらに昔、約1300年前の飛鳥・平安時代の頃、飛騨の匠たちは、木工や建築の技術を買われ、奈良・京都の都づくりに協力・派遣されていました。過去の文献資料に、納税を免除する代わりに匠の派遣を法律で義務づけていた記録が残っており、時の政府が飛騨の匠の腕を重宝していたことがうかがえます。
飛騨の家具の特徴「曲木」
明治40年(1907年)頃、熱と水分を加えて木を曲げる「曲木(まげき)」の技法がドイツから日本に入ってきました。1920年頃に飛騨地方に伝わり、飛騨の家具が誕生します。
木工用語の基礎知識
曲木(まげき)
19世紀中頃、ドイツのミハエル・トーネットが考え出した、木を蒸して曲げる表現技法。
木材を蒸したり煮沸して塑性(=変形した状態からもとに戻らない性質)を増大させ、金型にはめてそのまま乾燥し、望みの曲線をもつ材にしたもの。
トーネットはオーストリアに工場を建設し、豊富なブナ材を使って曲木家具の量産体制を確立させた。生産のメインは椅子で、曲線で構成した斬新な形が受けて、ヨーロッパをはじめ世界的に普及し、トーネット社の曲木椅子として有名になった。画像はトーネットの代表作「214」。
曲木に適する木材はヒッコリーやトネリコ、ナラなどあるが、ブナがもっとも一般的。
木材を蒸したり煮沸して塑性(=変形した状態からもとに戻らない性質)を増大させ、金型にはめてそのまま乾燥し、望みの曲線をもつ材にしたもの。
トーネットはオーストリアに工場を建設し、豊富なブナ材を使って曲木家具の量産体制を確立させた。生産のメインは椅子で、曲線で構成した斬新な形が受けて、ヨーロッパをはじめ世界的に普及し、トーネット社の曲木椅子として有名になった。画像はトーネットの代表作「214」。
曲木に適する木材はヒッコリーやトネリコ、ナラなどあるが、ブナがもっとも一般的。
曲木の家具の魅力は、しなやかな曲線で構成される美しさにあります。また、弱そうな見た目に反して、柔構造になっているために耐久性があり、軽くて使いやすいです。手工芸的な味わいもあり、木肌への愛着の復活とともにその良さが見直されています。
職人の業、豊かな自然、そして西洋の曲木の技法が融合し、飛騨の家具は誕生しました。今では日本有数の家具産地としてその名を知られています。
飛騨の家具は、曲木の優れた加工技術によってもたらされる頑丈な構造と、天然木の風合いや温もりを活かした、美しくも暮らしに根ざしたデザインと実用性を兼ね備えています。
座り心地の良い椅子をはじめ、テーブルやソファ、デスクなど、脚をもつ「脚物家具」が代表的ですが、テレビボードやチェストなどの収納家具にベッドと、さまざまな製品が作られています。高山市と飛騨市には家具メーカーの本社・工場が多く、各社のショールームで製品を見たり触れたりできます。
飛騨の家具は、曲木の優れた加工技術によってもたらされる頑丈な構造と、天然木の風合いや温もりを活かした、美しくも暮らしに根ざしたデザインと実用性を兼ね備えています。
座り心地の良い椅子をはじめ、テーブルやソファ、デスクなど、脚をもつ「脚物家具」が代表的ですが、テレビボードやチェストなどの収納家具にベッドと、さまざまな製品が作られています。高山市と飛騨市には家具メーカーの本社・工場が多く、各社のショールームで製品を見たり触れたりできます。
「飛騨の家具」を名乗るための厳しい認定基準
飛騨地方の家具メーカーで組織した「協同組合 飛騨木工連合会」では、飛騨の伝統文化の精神性を大切にした上質な家具づくりを通して、飛騨の家具のブランド化に取り組んでいます。
その一環として、「飛騨の家具」という名称の地域団体商標を取得しました。
平成20年(2008年)1月に「飛騨の家具」「飛騨・高山の家具」の地域団体商標を登録したのを皮切りに、平成21年(2009年)5月に台湾、平成22年(2010年)2月に中国と、海外の2か国でも登録を終えています。
これにより、飛騨木工連合会の組合員企業が、飛騨地域で製造した家具でなければ「飛騨の家具」「飛騨・高山の家具」を名乗ることはできなくなりました。
また、飛騨家具・高山家具・飛騨地域の家具・飛騨の民芸家具・奥飛騨の家具など、地域名と家具が一体になった類語も表示・使用できません。
飛騨の家具のロゴマークも平成21年(2009年)11月に商標登録済です。この商標は、飛騨木工連合会の組合員企業であっても、組合が定めた「エコロジー」「産地」「保証」「品質」「木材」「デザイン」の認証基準を全てクリアしていないと使用できません。
その一環として、「飛騨の家具」という名称の地域団体商標を取得しました。
平成20年(2008年)1月に「飛騨の家具」「飛騨・高山の家具」の地域団体商標を登録したのを皮切りに、平成21年(2009年)5月に台湾、平成22年(2010年)2月に中国と、海外の2か国でも登録を終えています。
これにより、飛騨木工連合会の組合員企業が、飛騨地域で製造した家具でなければ「飛騨の家具」「飛騨・高山の家具」を名乗ることはできなくなりました。
また、飛騨家具・高山家具・飛騨地域の家具・飛騨の民芸家具・奥飛騨の家具など、地域名と家具が一体になった類語も表示・使用できません。
飛騨の家具のロゴマークも平成21年(2009年)11月に商標登録済です。この商標は、飛騨木工連合会の組合員企業であっても、組合が定めた「エコロジー」「産地」「保証」「品質」「木材」「デザイン」の認証基準を全てクリアしていないと使用できません。
現在、飛騨の家具のブランド認定基準をクリアしている家具メーカーは、飛騨産業・柏木工・イバタインテリア・日進木工・シラカワ・オークヴィレッジ・木馬舎・雉子舎の8社のみです。
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