実は奥深い!北欧スタイルのインテリアコーディネート
シンプルでありながらもオシャレに見える北欧スタイルのインテリアコーディネートは、1人暮らしでもファミリーでも人気のスタイルです。色の使い方と家具の選び方さえポイントを抑えれば、誰でも気軽に北欧スタイルのコーディネートが楽しめます。
過去記事「▼北欧スタイルの必須アイテム!大型オットマンの魅力に迫る」で北欧スタイルの基本をご紹介しているように、色は白などのベーシックなカラーを中心にまとめ、家具はナチュラルなウッドテイストが基本です。それにプラスして曲線的なデザインのアイテムを取り入れるとより一層オシャレな北欧スタイルになります。
フィンランドの建築家兼デザイナー、アルヴァ・アールトの “パイミオ・チェア”は、森と湖からインスピレーションを得たとされる曲線美が特徴的です。デンマークの建築家兼デザイナーのアルネ・ヤコブセンの“アント・チェア”は、1枚の成形合板を曲げて作られています。
このように北欧デザインの家具の多くには曲げ木の技術を活かさせたものが多いです。曲線の美しいダイニングチェアをレイアウトして、素朴さの中に優雅さを感じさせる北欧風のダイニングルームを演出してはいかがでしょう。
北欧デザインがお好きな方は、シンプルなものを好まれることが多く、結果的に部屋全体がまとまりすぎて面白みに欠けてしまう場合もありますが、そんな時はダイニングチェアの色やデザインをそれぞれ異なるものにするのもおすすめです。
日本のダイニングチェアはひとつのデザインで揃えるのが一般的ですが、
好みのデザインのチェアをひとつずつチョイスしてコーディネート
すると、部屋全体のインテリアを決定するアクセントになります。チグハグな印象にならないか心配…という方は、まずは4脚のうち2脚を同じデザインにするなど、少しずつ変えていくのでもOK。アクセントを効かせつつ統一感もキープできるのでおすすめです。
毎日を心地よく暮らす哲学に基づいたデザインチェア
シンプルで合理的、かつ温かみも感じられる北欧のチェア。曲線の美しさが際立つデザインは、見映えだけでなく人間工学に基づき設計されています。
背もたれと座面の角度が直角で、それぞれが平べったい椅子に腰かけてみるとわかりますが、直線のみで構成された椅子は背中やお尻にかかる負担が大きく、長時間の使用には不向きです。
人間工学とは、人間が可能な限り自然な動きや状態で使えるように物や環境を設計し、実際のデザインに活かす学問のことをいいます。これに基づいた椅子は、自然な姿勢で、長時間でも快適に座っていられるよう、背骨や股の形に沿うようにデザインされています。北欧家具においては、デンマークモダン家具の父と称されるコーア・クリントが人間工学を提唱し、取り入れるようになりました。
人間工学を活かした北欧家具のひとつに「Yチェア」があります。
Yチェアは北欧デザインの巨匠 ハンス・J・ウェグナーの代表作で、1950年から生産し続けられている椅子です。
背もたれのY字のデザインはコストダウンのために施されたものですが、丸みを帯びた背もたれとアームが背中から肘までを包み込み、座面のぺーバーコードはクッション性があり、使い込むことで体になじんでいきます。この座面のペーパーコードは通気性が良く、1年を通して快適に座ることができます。
Yチェア以外にも北欧のデザインチェアには座り心地や使い勝手にこわだり、かつデザインの美しさを追求したものが数々あります。次の項では、そんな北欧デザインの人気ダイニングチェアについてご紹介していきます。
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北欧スタイルのダイニングチェアで素敵なダイニングを演出
初任給でイスを買う!長く使える北欧ダイニングチェア
毎日使うダイニングは「食事をとるための場所」にとどまりません。デンマークでは「時間とお金をかけるべき大切な場所」とされ、初任給でダイニングチェアを買う文化まであるのだとか。
家族や恋人過ごすくつろぎのひと時をも与えてくれるダイニングに置くならば、座り心地が抜群で、見た目もオシャレな名作の椅子と呼ばれるものや、こだわり抜いて作られたものを選んでみてはいかがでしょうか。大切な場所にふさわしい、優れたダイニングチェアを手に入れましょう。
質の良いダイニングチェアは1脚数万円しますが、高価なダイニングチェアと共に暮らすことで生活をワンランクアップさせ、さらには心を豊かしてくれるに間違いありません。
時代を超えて愛される北欧チェア
・KK47510 レッドチェア
コーア・クリント 1933年 デンマーク
デンマークモダン家具の父と呼ばれるコーア・クリントがデザインした、張り生地にゴートレザーを使用した上質なダイニングチェア。バルセロナ万国博覧会で賞を受賞したことから「バルセロナチェア」とも呼ばれています。人間工学を活かした背もたれや座面の湾曲が美しいプロポーションを作り上げています。もともと講義室用の椅子としてデザインされ、椅子を横並びにした時に、隣り合う椅子の前脚前面がぴたりと接するのが特長です。
・セブンチェア
アルネ・ヤコブセン 1955年 デンマーク
デンマークを代表する建築家兼デザイナーのアルネ・ヤコブセンの代表作。湾曲した一枚板とスチールパイプの脚で作られたスタッキングチェア。体に沿った立体的なデザインは体を包み込むような座り心地で、長時間座っていても疲れにくくなっています。正規品はフリッツ・ハンセンで、リプロダクト品はピンクやブルーなどさまざまなカラー展開で販売されています。
・No.42(ナンバーヨンジュウニ)
カイ クリスチャンセン 1956年 デンマーク
エッジをきかせたセミアームと、それに繋がって傾斜する後ろ脚が特徴的。宮崎製作所による復刻版では、木材や張り生地を選んでお好みのNo.42が作れます。
・シェルチェア
チャールズ & レイ・イームズ 1948年 アメリカ
北欧デザイナーではありませんが、北欧インテリアでも人気のチェアです。セブンチェア同様に、背もたれと座面が1枚で作られた美しいフォルムと快適な座り心地は、時代を超えて愛されています。正規品はハーマンミラージャパン ショールームでご覧になれます。
上等な家具をレイアウトした、快適でオシャレな暮らしには誰もが憧れるもの。名作と呼ばれ、なかなか手が届かない価格のダイニングチェアでも、リプロダクト品なら手頃な価格で購入できるものもあります。北欧のディテールにこだわったダイニングチェアは、きっと値段以上の豊かな生活を提供してくれますよ。