ベンチタイプのダイニングチェアの流行りの謎に迫る
ダイニングスペースの主役と言えば、やはりダイニングテーブルやダイニングチェア。ウッドベースのナチュラルなものから、アイアンやガラスを使ったスタイリッシュなものまで、デザインも様々です。
家族構成や人数を想定してテーブルサイズや椅子の脚数を決めるのが一般的ですが、ライフイベントのなかでは家族が増えたり、それに伴って家具も増え、部屋のレイアウトが変更になったりと、多様な変化に柔軟に対応していく必要もあります。
そんななかで、近年人気が高まっているのが、ベンチタイプのダイニングチェアです。ダイニングベンチと呼ぶこともあります。従来のダイニングチェアのように1人1脚の椅子ではなく、
2人がけや3人がけのベンチを組み合わせたチェア
に注目が集まっています。
実は以前からもこうした製品は存在していましたが種類は多くなく「知る人ぞ知る」存在でした。最近はオシャレなデザインのもの、背もたれ付きなどバリエーションが多彩になり、敢えてダイニングベンチを選ぶという人も増えつつあるようです。
ベンチタイプのダイニングチェアは
・背もたれがないため部屋がスッキリして見える
・ぴったりと寄り添うことができる
・子供なら2人分のスペースに3人座ることができる
・ちょっとした荷物置きやステップ台として活用できる
などの特長があり、実際に使ってみるとそれ以外の魅力も感じられるかもしれません。一方で、実際に使ってみないと分からないデメリットもありますので、今回の記事では
使用者目線でダイニングベンチを徹底検証!
購入前の参考材料としてはもちろん、ダイニングベンチを選ぶポイントからコーディネートまでご紹介します。ぜひチェックしてみてください。
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メリット・デメリットを実際の生活シーンに重ねてみよう
ベンチタイプのダイニングチェアの購入を検討するにあたり、恐らく多くの方がその配置場所や実際の使用シーンなどをイメージされと思います。お部屋のレイアウトはお住まいによって様々なので、空間を有効活用するためにダイニングベンチを置くケースもあれば、家族がが増える予定なので、というケースもあるでしょう。
冒頭でもお伝えしたように、ダイニングベンチのメリットは見た目のスッキリ感はもちろん、1人1脚のダイニングチェアのようにその都度椅子を引く必要がないため、
省スペースでレイアウトが可能
というメリットもあります。
背もたれのないベンチの場合、使用していないときはテーブルの下に収納でき、状況に応じた動線が確保しやすいというのも、このタイプの特長の1つです。
壁に背を向けて1脚タイプのダイニングチェアを置く場合、椅子を引くために約60cmのスペースを空ける必要があることは、過去記事「理想のテーブルサイズとは?部屋の広さとレイアウトから考えよう」でもご紹介したとおりです。同じ状況でも
ダイニングベンチなら45cm前後のスペース
があれば、多少窮屈感はありつつもダイニングチェアとしては十分機能するでしょう。
一方のデメリットですが、実際に普段使いをすると良く分かりますが
・重くて椅子を動かすのがたいへん
・座ったり立ったりが面倒
・複数人で座っていると椅子を動かせない
・椅子をひきずるため床に傷がつきやすい
・長時間座るのには向かない
といった点が挙げられます。
とは言え、椅子の重さや長時間座るのには向かないという問題は、
椅子の素材やデザインによる部分が大きい
ため、軽い素材のダイニングベンチを選んだり、クッション性の高い座面や背もたれのあるデザインを選ぶことで解決できます。また、フローリングの傷が心配な場合は、ラグを敷いたり、チェアの脚に傷防止用のカバーキャップをつけることで対策可能です。
人の出入りなどの動線デメリットこそありますが、物理的なデメリットは意外と
選ぶダイニングベンチのタイプで解消できる
という点を認識しておくと良いでしょう。
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空間的な広がり効果や椅子以外の用途に使えるメリットも
ダイニングという空間コーディネートの観点でトータルに考えると、工夫次第でさらにそのメリットを増やすことができます。例えば、
ダイニングベンチの座面をアクセントカラーに活用
すると、ダイニングテーブル周りの配色のいいアクセントになります。座り心地をよくする意味でも、カラフルなファブリックや合皮のクッションを配置するのはおすすめです。また、1人掛けのダイニングチェアは使わないときはテーブル下に収納しますが、座面の広いダイニングベンチなら常に出しておくことができ、フォーカルポイント(Focal point 注視点)として機能します。
フローリングとダイニングテーブルの色味に統一感を持たせている場合は、
グリーンやレッドなど北欧調の配色をアクセントとして採用
することで、空間の広がり効果とアクセントのメリハリが際立つようになります。
少し変わったコーディネートとしては、ダイニングベンチをディスプレイ用シェルフとして活用するのも手です。全体が木製のベンチの場合、座の上に観葉植物などのグリーンを置き、ナチュラルな雰囲気を強調できます。
ベンチ本来の使い方からは多少それてしまいますが、ダイニングベンチは意外と汎用性が高いということを覚えておくと良いと思います。背もたれが付いたタイプはディスプレイ用には不向きな部分もありますが、
アイデア次第で色々な活用ができるのもダイニングベンチの魅力のひとつ
です。実際に日常で使いながら、オリジナルの活用法を見出してみてはいかがでしょうか?
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