ミッドセンチュリーを代表する老舗メーカー
ハーマンミラーは、米国ミシガン州に本社を置く世界 40 カ国以上に事業所や販売代理店を持つ家具メ ーカーです。製造拠点は米国、中国、イタリア、イギリスにあります。1905 年に伝統的なスタイルの寝室用家具製造会社として創業、1920年代には他の家具メーカーを吸収して拡大を図り、寝室用だけでなく家庭用全般の家具製造に着手し、事業拡大を目指しました。実用的でありながらもデザイン性の高い家具を作るメーカーとして世界中に知られる老舗です。
ちなみにミッドセンチュリーとは、1940~1960 年代にデザインされた家具やインテリアにおけるインテリア業界での呼び名となりますが、この時代は、成型積層合板や FRP など様々な新たな素材や技術が急速に発展した背景もあり、家具全般的なデザインの特徴として、曲線などの加工を多く用いた製品が生み出されました。ハーマンミラーの家具もまた、そうしたデザイン性が色濃く出ているブランドの一つです。
数多くの有名デザイナーをコラボ
アメリカンモダンファニチャーが勢いのあった、ミッドセンチュリーの時代にオフィス家具にも進出し、システムファニチャーの先駆者となりました。ジョージ・ネルソンをデザイン・ディレクターに迎え、最先端のインテリアを提案します。彼の代表作はネルソンベンチ。直線で作られていながらどこか温かみを感じるベンチですが、デザインの良さと人気により、類似品が多く作られるようになっています。彼のもう一つの代表作はココナッツチェアです。こちらはココナッツの殻を割ったようなコロンとした可愛らしい形で、見た目だけにとらわれてしまいますが、実はとても座り心地が良いのです。
ネルソン曰く「快適性を保ちながら自由に身動きできるものを目指した」とのこと。そしてそれは見事に成功したようです。イームズ夫妻は自身がデザインしたプライウッド(成形合板)のチェアをハーマンミラーに製作依頼したことで同社の製品デザインを行うようになりました。それから、彼らはアートや建築、デザインと機能を融合させることにトライし、ファイバーグラス素材の座面を開発しました。これをワイヤーの脚3本で支えます。個性的なチェアはイームズ夫妻の代表作と言えるでしょう。
オフィスファニチャーにも代表作
ミッドセンチュリーを代表するデザイナーたちの作品を忠実に再現する、それは高い技術を持ったクラフトマンたちの技があるからです。お互いがリスクを恐れずに好奇心と探究心を忘れずに進んでいくことを実践した結果、数々の名作が生まれました。この中のひとつが人間工学に基づいて作られた「アーロンチェア」。誰もが一度は見たことのあるハーマンミラーの代表作です。メッシュ素材を採用して様々な賞を獲得しています。ハーマンミラーの製品なので決してお安くはありませんが、成功した人の象徴としてビジネスマンに人気です。