低反発枕や高反発枕ってそもそもどんな枕なの?
近年、軟質ウレタンフォームをベースにした低反発ウレタンや、高反発ウレタンが枕素材として人気が高まっています。みなさんも店頭などでウレタンフォームの枕に触れたことがあるのではないでしょうか。このウレタンフォーム最大の特徴は
人の身体の形状に合わせてフィットする
ところにあり、他の枕にはない特殊な人工素材を用いています。
過去記事「▼目的で選ぶ・枕素材の種類とメリット・デメリット」でもご紹介しているように、枕選びには
・人それぞれ好みが違う
・枕に求める機能が異なる
・人によって寝姿勢が異なる
という条件があり、一概に「この素材がいい!」と決められないアイテムですが、低反発枕や高反発枕は、共にウレタンフォームが身体にフィットするということで、
身体に合わないという点はクリア
していると言えます。
本記事では、このウレタンフォーム素材の低反発枕と高反発枕について詳しく取り上げていきます。低反発ウレタンと高反発ウレタンの違いや、それぞれの枕のメリット・デメリットなど、専門的な知見も含めウレタン素材を徹底分析。
価格の違いによる素材の質の違い
なども解説しますので、低反発ウレタン枕や高反発ウレタン枕の購入を検討されている方は、ぜひ参考にしていただき、自分のニーズにあった枕選びにお役立てください。
実はフィットしすぎるのもNG?それぞれの特徴を知ろう!
低反発ウレタン枕と高反発ウレタン枕。
読んで字の如く、低反発ウレタン枕は反発力の低いウレタンフォームを素材とした枕、高反発ウレタン枕は反発力の高いウレタンフォームを用いた枕です。ウレタンフォームを手で押した状態をイメージすると分かりやすいと思いますが、
・低反発ウレタンは柔らかく沈み込むんで戻りにくい
・高反発ウレタンは適度な硬さがあり戻りも早い
主に上記のような違いがあります。
低反発にせよ、高反発にせよ、枕の形が首の骨のアーチに合わせてかたどられている商品も多く、特に低反発枕はしっかりと沈みこむので、より多くの方に対して心地よい寝姿勢が取れるメリットがあります。ただし、身体に合わせて沈み込み低反発ウレタン枕は、沈み込みが大きくなり、首や頭を動かしにくくなるというデメリットもあります。これは、
寝返りを打とうと思って身体をひねっても首が回らない
ということで、長時間同じ寝姿勢を取り続けて筋肉が固まり、肩コリや首コリの原因になってしまいます。また、ウレタンが沈み込むことによって、最適な頭の位置をキープできなくなる可能性もあり、必ずしも自身にフィットすることが最良の枕とは限らないのです。
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一方の高反発枕は、ある程度の硬さがあり、ウレタンフォームならではのフィッティング感もあることから、沈み込みも限定的となり、
いいとこ取りのウレタンフォーム枕
とも言えます。ただし、高反発ウレタンは枕の形が低反発にくらべて変形しにくいため、自身の身体に合わないと何をしても合わない…というリスクがあります。高反発枕はその特性上、元々後頭部と首のアーチに合わせた形になっていることが多く、高さが合わないと
無理して頭を上げる姿勢
で寝続けることになってしまい、本来の快眠という機能はもちろん、ウレタンフォーム枕の機能ですら存分に得られなくなってしまいます。
このように、それぞれの枕の違いや特性をしっかり理解し、購入前には必ず店頭で試し寝をすることを強くおすすめします。
ウレタン枕のメリット・デメリットを知ろう
上記でもご紹介したように、ウレタン枕のメリットは自身の身体に合わせて変形し、適切な姿勢を保ってくれることにありますが、一方で沈み込みすぎることで、
・寝返りが打てなくなったり
・通気性が悪い
というデメリットもあります。その他、ウレタンフォームには
温度が高くなると柔らかく、低いと硬くなる
という性質があり、適した室温に調整しないと、本来の機能が半減してしまう可能性があります。冬の室温が10度以下になることは珍しくありませんが、ウレタンフォームは約10度以下の環境では本来の反発力に変化が生じてくるので注意が必要です。
昨今では、低反発枕も高反発枕も比較的リーズナブルに購入できるようになってきましたが、数千円から数万円と
価格帯にばらつきがあるのも実情
消費者目線では「どうせなら安い方がいい」と考えるのが当然ですが、その値段の違いはどのような点にあるのでしょうか?
まずはウレタン素材の密度
密度の低いウレタン素材は反発力も低く、頭が沈み込みやすい傾向にあります。低反発ウレタン枕ではそれが特徴でもありますが、反発弾性という規格での数値では
低反発ウレタン:約15%以下
高反発ウレタン:約60%以上
が目安であり、安価なウレタン枕では4~5%程度しかないものもあります。
低反発ウレタン枕と言えど、本来の機能である「人の身体の形状に合わせてフィットする」のが最大の特徴なので、平均価格より安価な商品は質や耐久性で難があるかもしれません。
逆に高価な商品は、
・通気性を向上した何らかの特殊加工が施されている
・個々の身体にフィットするよう何らかの調整機能が付いている
といった機能を設けているものもあります。低反発・高反発のウレタン枕は、数多くのメーカーが生産しており、その使用感は人それぞれです。上記でご紹介してきた内容をよく理解して、自分の身体にあったウレタン枕を選ぶようにしましょう。
重ねてお伝えしておきますが、可能な限り購入前に試し寝してくださいね!
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