episode-06-hamamotokogei 家具インテリアのプロに聞く~メーカー編~
episode.06 浜本工芸

数ある樹種のなかで浜本工芸が
ナラ・オークの無垢材にこだわる理由

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2019年10月某日、家具メーカーのショールームが多く集まる五反田TOCにて、浜本工芸の東海林プロにインタビュー。家具販売の現場で長年活躍してこられたプロの目線から、浜本工芸がナラ・オークの無垢材にこだわる理由、メーカーとしての新たな試みなどについてお話を伺いました。

浜本工芸 PROFILE

1948年創業の木製家具メーカー。広島県に本社と2つの工場を構え、加工から仕上げまですべての工程を国内で行なっている。ナラ・オーク材の家具作りにこだわり、代表商品のひとつである学習机はその品質の高さから、皇室への献上品にも選ばれている。
1972年に販売部門を分離し、株式会社浜本を設立。出島工場に併設の広島ショールームをはじめ、東京、大阪、札幌など全国に6つのショールームがある。

目次

大手家具販売会社を退職し、家具メーカー・浜本工芸へ

ー 家具メーカー「浜本工芸」について教えてください。

浜本工芸は約70年前に広島で創業した総合家具メーカーです。机をはじめ、ダイニングセットやソファ、サイドボード、テレビボードなどを製造しています。創業当時から、安心・安全で頑丈な構造により長くご使用いただける家具を作り続けています。
昨今は、家具の販売店様や住宅メーカーさんからウォールナットやブラックチェリー、メープルなど多樹種の取り扱いに対する要望が増えてきていますが、当社ではナラ・オーク材にこだわってモノづくりをしています。

ー 東海林プロは浜本工芸でどのような業務に携わっていらっしゃいますか。

2019年4月に当社に入社したので、社歴自体は約7か月になります。広島の本社・工場・営業所で3か月間の研修を経て、新規事業となる法人営業部の発足に伴って統括に就任しました。現在は、新たな販路の開拓として、ハウスメーカーを中心に法人との提携の取り付け、関連企業との販売提携、ショールーム運営などを行なっています。

ー 家具業界に入ったきっかけは。浜本工芸に入社前も家具関係のお仕事に就いていたのでしょうか。

(家具業界を)選んだきっかけは、家具が好きだからというよりも、店舗販売に従事したかったという気持ちのほうが大きいです。数ある流通業界・店舗のなかでも、家具の販売はお客様と接する時間が長く、いつもお客様から見られているという意識を保つことができ、常に自分自身に磨きがかけられると感じたので。
前職も家具関係の仕事ですし、経験した業界も家具だけです。店舗営業を経て、20年近く仕入れを担当していました。

樹種をあえてナラ・オーク材に限定している理由

ー 浜本工芸の製造面・サービス面それぞれの強みを教えてください。


塗装が厚いのに自然な風合いを損なわない浜本工芸のUV塗装

製造面では、熟練した職人の技術と、昔ながらの家具製造機械を使用する一方、最先端の技術機械を数多く揃えた工場で、時代にあったモノづくりができるところです。たとえば天板の両面にUV塗装をほどこし、キズ・熱に強い仕上がりにしています。この塗装は、ほかの国産木工メーカーさんではほとんど行なっていないので、他社の学習机やダイニングテーブルと差別化を図ることができています。

サービス面で申し上げますと、北は北海道から南は九州まで、主要都市に営業所を持ち、あらゆる家具店様のフォローができる体制を整えています。さらに全国6か所に当社ショールームを開設し、店舗に展示できない商品をご覧いただけるようにしているほか、お客様からのお問い合わせに対応できる窓口も兼ねています。

ー ナラ・オーク材にこだわっているとのことですが、何か理由があるのでしょうか。

使用する樹種を限定することで、生産効率を落とすことなく家具を製造できます。その結果、商品の最終価格をお客様がお求めやすいものにでき、ほかの木工メーカーさんとの価格競争にも勝つことができます。無垢材を使用するうえで木材の選別には特に気を使いますが、木の特質を知り尽くした職人が選別することで、浜本らしい家具が生み出される。これらを踏まえて、お客様にご利用いただきやすい価格設定ができる点は、当社の最大の強みだと思います。

ナラ・オーク材はこんな木

日本人にはどんぐりの木としてなじみ深い樹木。戦前はおもに薪や炭の材料として消費されていたが、ヨーロッパへ輸出されるようになると家具の材料として見直されるようになった。堅く重厚で耐久性・耐水性に優れ、高級家具や船、ウイスキーやワインのタルの材料として重宝されている。天然木らしい木目と色、深みを増す経年変化も大きな魅力。
オークはナラの英語表記で、おもに産地が異なる。浜本工芸では、年々希少価値が高まるナラ材と高品質なオーク材を合せて使用することで、創業当時から最良の品質を維持している。

ー では逆に、これからの課題や改善をはかっていきたいと感じている点などはありますか。

ショールームの新設やホームページの充実を行なってまだ間もないこともあり、お客様のお声を直接うかがえる場所がまだ少ないことが、現在の浜本の弱点であり、今後の課題ですね。

ー 2003年に広島ショールームを移転新築後にしばらく間が空いて、2018年末頃から東京ほか5つのショールームが立て続けにオープンしていますね。

ええ。あとは、「浜本工芸」の認知度のさらなる向上ですね。家具店様の卸を中心とした事業展開の結果、家具店様やエンドユーザー様における浜本工芸の名はある程度浸透していると感じていますが、今後はさらにインテリアコーディネーターや設計事務所など、インテリアのプロの方々への認知度を高めていく必要があると思います。

皇室にも献上された学習机のパイオニア

ー 浜本工芸を代表する家具といえば、やはり学習机ですか。


子供から大人まで長く使えるベストセラー学習机No.09デスク

そうですね。学習机は皇室への献上品に選ばれた経験もあり、おかげ様で多くのお客様からご支持いただいています。
浜本工芸らしい家具としては、リビングダイニングチェアの1800シリーズも当社のロングセラー商品といえますね。当社の家具の特長でもあるナラの無垢材をふんだんに使用しており、安心・安全はもとより、重厚感のあるデザインでもご好評いただいています。

ー 最近の人気商品についてはいかがですか。


家族が自然と集まりくつろげる空間をつくる3000シリーズ

リビングダイニングの3000シリーズですね。当社のもうひとつの特長である「張り込み技術」を生かしたチェアはリビングとダイニングを両立し、限られた空間を有効活用できます。また、生地には引っかき傷や汚れに強い人工スエードの「ラムース」を使用しているので、室内でペットを飼われているお客様にも人気があります。

消費者ニーズは駅チカ店舗&品質・本物志向が増加傾向

ー 家具販売に長く携わってきて、業界の最近の動向をどうお感じですか。

家具に限らないことですが、店頭での販売力・接客力が低下してきているのではないかと感じています。インターネット、とりわけスマートフォンの普及により、お客様自身で情報収集が簡単にできるようになりました。その半面、接客における商品説明や、販売員とのコミュニケーションを求めて購入するお客様がいなくなったわけではありません。販売力・接客力の低下は売上に大きく影響してしまいますから、看過できない問題です。
メーカーとして、それをしっかり補えるよう、専門的な商品説明ができる場としてショールームを開設し、販売店様と連携・協力することが大切と感じています。それが今、浜本工芸にできる最大の努力ではないかと考えています。

ー 販売店において、お客様に家具の購入を決意させる最後のひと押しをする力が弱まっている、ということでしょうか。

そうですね。家具メーカーの側でもホームページの充実や、ブランドイメージを高める動きが広がっていますので、販売店様はそのイメージをうまく利用するべきではないかと思います。

ー お客様のニーズの変化についてはいかがでしょうか。

インターネットを利用した購入がほとんどになってきていると感じます。店舗や商品検索の段階でもネットで情報を確認し、購入に至っている場合がほとんどです。
加えて、首都圏にお住まいのお客様は自家用車を所有していない方が増えており、これまで主流だった郊外の店舗より、駅から近い店舗での買物を好む層が厚くなってきていると思います。
また、商品の価格や品質に対する考え方も変わってきましたね。安さ重視の販売手法から、「本物を購入できること」を求めるお客様が多くなってきているのではないでしょうか。

No.8200 リビングチェア

肩までしっかり支えるハイバックタイプの布張りソファ。フレームに無垢材をふんだんに使用し、背面が見えても違和感がない。座面に5層の積層構造のウレタンを使用し、さらに布バネを使用することで、しっかりとした固めの座り心地を実現。オプションのヘッドレストを併用すると、より体全体を支える。お好みに合わせて布を選べ、背もたれ・座面のカバーは取り外してドライクリーニングが可能。

これまでにない新しいデザインの浜本工芸の家具に注目!

ー 浜本工芸の今後の取り組みについてお聞かせください。

私が取り組んでいる法人営業という新たな事業のほか、企業としてはブランディングの再構築に取り組んでおります。法人営業もブランディングも、当社の認知度を高める取り組みであり、これらがうまく機能することで、すでにお取引をさせていただいているところを含め、すべての販売店様がより商品を販売しやすい環境が整うと確信しております。
また、これまで社内デザインによる商品開発が中心でしたが、今後は社外デザインの採用も検討しております。今までの浜本工芸のイメージにない、新しい商品が誕生するかもしれませんのでご期待ください。

No.5400 ダイニングチェア

軽さと座り心地のよさを両立した、不動の人気を誇る浜本工芸のベストセラー商品のひとつ。重さ4.9kgの軽量仕様で、女性や子どもにも持ち運びやすい。背もたれに3つの曲線を採用し、背中・腰・背骨をしっかり支える。座面には体圧分散性に優れた布バネと積層ウレタンを採用しており底付き感がなく、長く座っていても疲れにくい。

No.8200 ダイニングチェア

短めのアーム(肘置き)が特長的。座ったときの肘の収まりがよく、立ち座りの補助の役割も果たし、出入りの邪魔にならない。人間工学に基づき、ダイニングチェアに最も適していると思われる背もたれと座面の角度を再現している。布バネを使用し、底付き感のない座り心地。張地は布・革から選択可能で、布張地は取り外せるカバーリングタイプ。

ー 東海林プロにとって、家具業界で働くことのやりがいとは。

先ほども申し上げましたが、法人営業は当社にとって新しい事業です。私自身も初めてお会いする方との商談が多いんですが、浜本工芸というメーカーを信用いただき、新規に口座を開設、新たな販路が作り出せることに、非常にやりがいを感じます。
店舗にお越しになったお客様から、浜本の机を使っているなど、当社の製品を愛用いただいているお話を伺うときも大変うれしいですね。

ー 浜本工芸ファンを含め、本ページをご覧になっている方にひと言お願いします。

70年前から変わらず、安心・安全をモットーに今後も家具の製造に努力いたします。当社の家具をすでにお使いの方は引き続き、まだの方にもぜひ一度使ってみていただきたいですね。

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