意外と知らないカーテンの正しい採寸方法
インテリアをトータルでコーディネートするうえで、忘れてはならないのがカーテンの存在です。
カーテンを新たに新調する際には、必ず窓枠やカーテンレールなどの採寸を行うことになりますが、実はカーテンの測り方は比較的シビアで慎重さが求められる作業です。カーテンは測り方を間違えると、カーテンの幅が思ったより短くて隙間ができてしまった…とか、思ったより長くて床についてしまう…といったトラブルが起こりやすく、皆さんも一度は経験があるかもしれません。
カーテンのショールームなどで購入するときは、店員に採寸の依頼ができたり、採寸のコツなどを教えてくれますが、インターネットなどで購入しようとすると、サイズは自分で測らないと注文できませんし、1~2センチの違いでも、カーテンをかけたときの部屋の印象が異なりますので、採寸は丁寧に、正しく測ることを心がけて下さい。
2 種類のカーテンレールの違いを知る!
カーテンレールには大きく分けて 2 種類あります。機能カーテンレールと装飾カーテンレールです。
機能カーテンレールは、開閉がスムーズになっており、一般的にカーテンレールと言えば機能カーテンレールを指します。耐久性の高いアルミや樹脂製のものが多いですね。レールの下の部分に隙間があり、その隙間にカーテンを引っ掛けるランナー(フック)がついています。レールが2本ついているものが一般的で、窓に近い方に光を通すレースカーテンをかけ、室内に近い方に厚みがあり外光や外気を遮断するドレープカーテンを掛けます。
装飾カーテンレールは、カーテンレールの両端に飾りがついているものが多く、カーテンを掛ける部分がポール状になっており、ポールに通した輪状のランナーが付いています。木製や鉄製のものが多いです。カーテンレ ールの種類によって測り方が異なる部分があります。また、購入する店舗によって、測るポイントが違うことがありますので、最終的には購入する店舗の測り方を確認して測ってください。
カーテンの正しい測り方
まずは、カーテンの幅を測ってみましょう。機能カーテンレールの場合は、レールの端についているランナー止めという固定されているフックから反対側の端のランナー止めまでを測ります。店舗によっては、カーテンレールの端から端までを測るとしているところもあるようです。
装飾カーテンレールの場合は、端についているランナー場合と、壁にレールを固定しているプラケットの外側から、もう一方のプラケットの外側までを測る場合があるようです。
そのようにして採寸したカーテンの幅を 1.03~1.05 倍したものが、購入するカーテンの幅になります。
長さは、輪になっているランナー止めの下の部分から床までの高さを測ります。
掃き出し窓の仕上がりサイズは、ドレープカーテンは床からマイナス1~2センチ、レースカーテンはドレープカーテンからマイナス 1 センチが標準です。出窓の場合は、出窓の棚からマイナス1~2 センチになります。腰高窓は、窓枠下から 15~20 センチが標準の長さです。
カーテンに取り付けるフックによっても仕上がりの長さは変わります。Aフックはカーテンでレールを隠さないようになっており、機能カーテンレールの場合、レースカーテンはAフックになります。B フックはカーテンでレールを隠すようになっています。機能カーテンレールの場合は、基本的にドレープカーテンはBフックになります。ただし、天井に取り付けるタイプの機能カーテンレールの場合は、どちらも A フックになりますので、間違えないように注意しましょう。
多彩なカーテンのタイプと種類
次に、基本的なカーテンの種類について押さえておきましょう。
・ヒダカーテン
カーテンの幅よりも、1.5~3 倍程度の生地を使って仕立てられたカーテンで、カーテンを閉めたときにヒダができるカーテンをヒダカーテンと言います。カーテン生地が等間隔でヒダが出るように縫い付けられているものは、縫い付けられたヒダの部分にフックを付けることが多いですね。昔ながらのスタイルや、グレードが高い空間には、2~3倍の生地で作る 3 つ山のヒダカーテンが、カジュアルな空間には 1.5 倍生地の 2 つ山のヒダカーテンが一般的です。また、装飾カーテンレールなどに取り付けるカーテンの場合は、カーテン生地に直接ポールを通す穴が開いていて、穴は金属のハトメで加工してあります。カーテンを閉めたときにヒダができるものはヒダカーテンと言います。カーテンの幅よりも 1.5~2 倍の生地を使うのが一般的です。
・フラットカーテン
カーテンの幅とほぼ同等のサイズの生地を使って仕立てられたカーテンをフラットカーテンと言います。大きな絵柄の入ったカーテンなどは、フラットカーテンにするとヒダが入らず一枚の絵を壁にかけているように、柄がはっきりと見えます。ヒダカーテンと違い、生地の横の長さがカーテン幅とほぼ同様なので、ヒダカーテンと比べると価格が安くなります。
・その他
カーテンレールを使うものではないですが、そのほかに窓に設置する、カーテンと同じような役割をするものとして、ブラインドやロールスクリーン、シェードカーテンなどがあります。ブラインドは、ルーバーと呼ばれる金属や木製の細長い板を何枚も紐でつなげたもので、多くは、端についた紐を引くことによって上下に開閉したり、ルーバーの角度が変わります。ブラインドは基本的には横型ですが縦型のブラインドもあり、その場合、ルーバーは布製が多く、端の紐を引くとカーテンのように左右に開きます。
ロールスクリーンは、ブラインドと同じように上下に開閉するものですが、1 枚の布でできており、天井に設置した巻き取り機によって巻き取ることで全開にしたり、真ん中の紐を地面まで引っ張ることで閉めたりできます。窓に設置する以外に室内での目隠しなどで使われることもあります。
シェードカーテンも、同じように上下に開閉するものですが、1枚の布でできており、端の紐を引くと下から布がしわしわと折りたたまれていくタイプです。シェードカーテンには様々な種類があり、紐を引き上げると紐まわりの布だけが縮んで短くなり、U 字型に布が垂れ下がるようなシェードカーテンもあります。カーテンを取り付けにくい小窓や、窓辺を飾ることの多い出窓などにシェードカーテンを設置しているお宅も多いですね。
既存のカーテンの見映えを変えるワンポイントテクニック
これまで、カーテンの基本的な構造についてご説明してきましたが、最後にカーテンの飾りの部分にスポットを当てたいと思います。
カーテンの装飾一つで部屋の雰囲気もガラッと変わりますので、部屋のイメージを壊さないような装飾を選ぶようにしましょう。
今お持ちのカーテンですぐに変化をつけられるのは、カーテンを束ねるときに使うタッセルでしょう。既製品などを購入した場合は、カーテンと同じ布で作られた共布タッセルがついているので、そのタッセルを使い続けている方が多いのではと思います。このタッセルを、糸を束ねて編み込んだ装飾性の高いタッセルにするだけでも、カーテン周りの雰囲気を変えることができます。
お持ちのカーテンに少し手を加えて、雰囲気を変えることも可能です。カーテンの縁や裾にあしらう、レースや刺繍の細長い飾りのことをトリムといいます。手芸店などで、レースや装飾用の刺繍のブレードなどを手に入れれば、あとはカーテンに縫い付けるだけ!世界に一つのトリムカーテンが完成します。また、バイアステ ープなどでカーテンの縁や裾を処理してある、カーテンの縁取り装飾のことをパイピングといいますが、こちらはレースなどの装飾とは違い、シャキッとした雰囲気にしたい方にお勧めの方法で、レースの甘さが苦手な方にオススメな方法です。
カーテンは、部屋の中で占める面積が大きいものなので、カーテンによってお部屋の雰囲気が決まるといっても過言ではありません。カーテン選びは慎重に、そして、お部屋の模様替えを考えている方は、カーテンをかけ替えるだけでもガラリと雰囲気が変わりますので、ぜひお試しください。