飛騨産業プロフィール
伝統工芸の曲木椅子の製造から始まった日本の家具メーカー。
大正9年(1920年)、中央木工株式会社として岐阜県高山市に設立。2020年10月1日にメーカーロゴを「キツツキマーク」からアルファベットの「HIDA」に変更。
代表的なシリーズは「CRESCENT」「SEOTO」「森のことば」「クマヒダ」など。
代表的なシリーズは「CRESCENT」「SEOTO」「森のことば」「クマヒダ」など。
曲木椅子の製造を開始
大正9年(1920年)、飛騨にドイツ発の成型技法「曲木」が伝えられました。
これに影響された飛騨の有志が出資しあい、洋家具製造のベンチャー企業「中央木工株式会社」を設立。同社の大きな目標は、飛騨の山林に自生する使われないままのブナの有効活用を図ることでした。当時の日本の生活様式に椅子は浸透しておらず、試行錯誤を繰り返し、2年がかりで春慶塗を施した曲木椅子を完成させました。
その後、同社は1923年に飛騨木工株式会社、1945年に飛騨産業株式会社に商号変更し現在に至ります。
飛騨産業は先陣を切って家具のモダン化を進め、海外輸出も手掛けています。伝統的な技術を継承する一方、時代のニーズをとらえた商品も精力的に発表しており、敬遠されがちだった木の節(ふし)をオンリーワンの魅力ととらえた「森のことば」シリーズや、家具には不向きと言われていたスギを用いた「KISARAGI」など、常に日本の家具業界に革新の風を吹き込んでいます。
飛騨産業は先陣を切って家具のモダン化を進め、海外輸出も手掛けています。伝統的な技術を継承する一方、時代のニーズをとらえた商品も精力的に発表しており、敬遠されがちだった木の節(ふし)をオンリーワンの魅力ととらえた「森のことば」シリーズや、家具には不向きと言われていたスギを用いた「KISARAGI」など、常に日本の家具業界に革新の風を吹き込んでいます。
立ち上がりたくない椅子 CRESCENT(クレセント)
三日月と名づけられた、1995年生まれの飛騨産業のベストセラー。極上の座り心地を追求した末の、滑らかな曲線だけで構成される美しいデザインが特徴です。
ー 木の座面なのにおしりが痛くならない
座面を立体的に削る「座ぐり加工」を施し、職人の手で丹念に磨き仕上げることで、優しい座り心地を実現しています。その心地良さは、テレビ番組「日経スペシャル カンブリア宮殿」内で、司会で作家の村上龍氏から「立ち上がりたくない椅子」と評されたほど。
さらにノンスリップ加工の塗装により、おしりが前に滑ることなく、正しい姿勢を維持します。
さらにノンスリップ加工の塗装により、おしりが前に滑ることなく、正しい姿勢を維持します。
ー 包み込むような曲木の背もたれ
座面と同じく体を支える重要なパーツの背板には、飛騨の家具の特徴「曲木」の技法が使用されています。
曲木は、木材を蒸煮して軟化させた後、曲型にはめて固定し、乾燥させて曲面に形成した部材のこと。曲木を使用した背板は背中にぴったりとフィットし、椅子に包み込まれるような心地を体感できます。
曲木は、木材を蒸煮して軟化させた後、曲型にはめて固定し、乾燥させて曲面に形成した部材のこと。曲木を使用した背板は背中にぴったりとフィットし、椅子に包み込まれるような心地を体感できます。
ー 触感への強いこだわり
CRESCENTは「目を閉じて座っても良いと思える掛け心地・触り心地の椅子を作ろう」という「触感のデザイン」をコンセプトに、デザイナーの佐々木敏光氏と手を組み開発されました。わずかに下向きに傾斜し丸みを帯びたフォルムのアームはつかみやすく、肘を乗せると自然と肘裏に指が回り、心地良い安心感を得られます。
最高の座り心地の研究から生まれた SEOTO-EX(セオト イーエックス)
医学的知見と人間工学的知見をもとに、究極の座り心地を追求している飛騨産業が、「身体への優しさと美しさの融合」をテーマに研究・開発し、2015年に発売しました。工業デザイナー・川上元美氏の手によるもので、2016年にダイニングチェアがグッドデザイン賞を受賞しています。肘が短く立ち座りがしやすいセミアームタイプがとくに人気です。
ー 腰・おしりの負担を軽減する座面
産学官共同で研究された座面は、後部が3次元に立ち上がりサポート力を強化。おしりを包み込むような形状が骨盤の後方回転を抑制し、フィット感を維持します。
ー 背骨のS字ラインを意識した背もたれ
背もたれは、椎間板への負荷が少ない「まっすぐ立つ姿勢」の背骨のラインを無理なく維持できるように、横方向と縦方向にカーブした3次元の形状を採用。腰椎は前方、胸椎は後方に向かってカーブを描く「自然な背骨のS字ライン」をそっと支えます。
ー グッドデザイン賞を受賞した美しいフォルム
SEOTOシリーズのセミアームチェアの大きな特徴は、削り出した肘木と後脚、背受けが一体になっているデザインにあります。
アームから斜めにまっすぐ伸びた後脚のラインの美しさが際立ちます。背受けの裏側には窪みがさりげなく施されていて、椅子が引き出しやすく、張り布を汚しません。
アームから斜めにまっすぐ伸びた後脚のラインの美しさが際立ちます。背受けの裏側には窪みがさりげなく施されていて、椅子が引き出しやすく、張り布を汚しません。
「節」が主役の家具 森のことば
「森のことば」は、これまで「高級家具には適さない部位」と除外されていた「木の節(ふし)」をオンリーワンの魅力に転換させた、革命的な商品です。木の個性を引き出しながら、資源の無駄をなくすことを目指して2001年に発売されました。
デザイナーは「CRESCENT」を手がけた佐々木敏光氏。ソファ「SN105W」はグッドデザイン賞を受賞しています。2018年のリニューアルを経て、今も人気の高いシリーズです。
デザイナーは「CRESCENT」を手がけた佐々木敏光氏。ソファ「SN105W」はグッドデザイン賞を受賞しています。2018年のリニューアルを経て、今も人気の高いシリーズです。
ー 自然がもたらす個性と造形美
一本の丸太から使用する家具の材料はわずか25〜35%です。飛騨産業では、「節なし・柾目の木材の画一的な美しさと合理主義」という家具業界の概念を改め、森のことばを発表しました。
森のことばのテーブルやダイニングチェア、ソファの木部には、森林資源を有効活用し、木の表情をいかすため、節のある材を使用しています。きれいに仕上げるのが難しいとされる節入りの材の加工ですが、匠の卓越した職人技により、節の魅力に注目が集まりました。節の数・大きさ・位置がひとつひとつ異なる材は、健やかな天然木の証です。
木工用語の基礎知識
節(ふし)
木の幹が横方向に成長する過程で、枝が幹に巻き込まれた部分。つまり、節は幹に内在する枝の一部で、枝の数だけ存在する。
枯れたりして成長が止まった枝が幹に残ったまま木が成長すると、その枝は幹に埋もれてしまう。そのため外見に枝の痕跡がなくても、幹を割ってみると中に節が存在している場合もある。
枯れた枝が幹に巻き込まれてできた節は、周囲の組織と結合せず、製材の仕方によってはその部分だけ抜け落ちてしまうことがあり、「抜け節」と呼ばれる。抜け節が多い木材は、強度の低下や見た目の悪さから高級家具では敬遠され、安価な家具に使用されやすい傾向にある。
枯れたりして成長が止まった枝が幹に残ったまま木が成長すると、その枝は幹に埋もれてしまう。そのため外見に枝の痕跡がなくても、幹を割ってみると中に節が存在している場合もある。
枯れた枝が幹に巻き込まれてできた節は、周囲の組織と結合せず、製材の仕方によってはその部分だけ抜け落ちてしまうことがあり、「抜け節」と呼ばれる。抜け節が多い木材は、強度の低下や見た目の悪さから高級家具では敬遠され、安価な家具に使用されやすい傾向にある。
柾目(まさめ)
丸太の中心付近を製材した際にできる表面の模様のことを指し、年輪が平行な木目。柾目の材は内部が緻密で、反りや収縮などの狂いが少ない。まっすぐ流れる美しい木目から、整然とした印象を与える。丸太の中心部からしか製材ができないため希少で、価格は板目の材と比べて割高。
ー リビングの顔になるソファ
森のことばの2人掛けソファ「SN14」は座高が低めで、お部屋を広く見せます。フラットで奥行きのある座面は、寝転がったり、子どもやペットがくつろぐのにも最適。森のことばのソファは、すのこ状の木フレームにクッションを置いて使用するので、通気性がよく湿気がこもりにくい構造です。クッションは手入れがしやすいカバーリング仕様で、外したカバーは洗濯もOK。幅広の肘置きは、スマホやグラスを置くサイドテーブルの代わりになります。
ー 森のことば派生シリーズ
ホワイトオークを主材とする森のことばのコンセプト「木の節が持つ個性を楽しむ・森林資源の有効活用」を、ウォールナット材で表現したのが「森のことば Walnut」です。高級感と重厚感のなかに、ウォールナット特有の温かみが感じられます。
「森のことば ibuki」は、河原の小石のように無意識に触れたくなる丸みや曲線を表現したシリーズです。節のある材を使い、連続するカーブを組み合わせた有機的なフォルムは、遊び心と使い心地の良さをあわせ持っています。
「森のことば ibuki」は、河原の小石のように無意識に触れたくなる丸みや曲線を表現したシリーズです。節のある材を使い、連続するカーブを組み合わせた有機的なフォルムは、遊び心と使い心地の良さをあわせ持っています。
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