select_guide 使い勝手が良く末永く使える家具の選び方ガイド

家具を買う前には、まず部屋のレイアウトを考え、家具を置く場所の採寸をして、家具を探しに行く、というのが通常の家具購入のプロセスで、家具の正しいサイズの測り方を知ろう!の記事でもご紹介したとおりです。そして、家具店にいくと、いろいろな形や素材の家具があり、また、デザインもモノトーンでシックなものから、カラフルでポップなもの、重厚でクラシックな彫刻が施してあるもや、現代的なアートとも呼べそうなものなど千差万別で、あれこれ目移りしてしまいます。
素敵なデザインの家具に一目ぼれして、購入…する前に、ちょっと立ち止まって考えてみましょう。
はたしてその家具は、ご自宅で想定していたものと同じくらいのサイズでしょうか?

店頭ではすべての製品が魅力的に見えるもの

想定した大きさよりちょっと大きいけど、デザインが気に入ったから…と買ってしまった家具を自宅に持ち帰ったとしましょう。実際に置いてみると、想定していたより大きいものなので、家具が邪魔して動線がスムーズにいかなくなった、とか、隣に置いた家具の扉が開かない、とか、前に置いたテーブルと椅子の間にスペースがなくなって椅子に座れなくなった、とか、カーテンレールに家具がぶつかってしまう、とか、思いもよらないトラブルが起こる可能性があります。また、サイズ的に問題はなくても、例えば、棚などの場合、その棚に何を置くか想定していなかったために、本来その棚に収納すべきものを置くスペースがとれなくなる、といった事態も起こりえます。

冷静になって本当に必要なものかをイメージしてみる

家具購入は、慎重になりすぎるということはありません。自宅での採寸を念入りにするのはもちろんのこと、お店でもサイズを測るところから、扉の開閉のスムーズさ、引き出しの使いやすさ、素材が部屋にあっているかどうか、安定感はあるか、床を傷つけない脚のデザインか…などをチェックし、実際に寝転んだり座ったりして使い心地を確かめたり、棚であれば置くものを想定したり…と自宅に置いた時のことを考えて、十分に吟味する必要があります。

「今買うと、お得です!」という店員さんの営業に安易に乗らない勇気も必要ですね。わからないところ、気になるところは店員さんにとことん質問して、疑問に思ったところは全て解消しておくよう心がけましょう。

見た目だけで判断するのはインテリアコーディネートではありません

次に、家具をコーディネートするときに、考えておいた方がよいポイントをいくつかご紹介しましょう。

1. 家具の採寸は余裕をもって

家具を置く場所の採寸は念入りに、と書きましたが、念入り、の具体的内容をお知らせしましょう。まずは、置く場所や置けそうな場所の最大サイズを測りましょう。奥行と幅をまず測ります。紐などで、その場所を囲ってみるといいですね。そのあとに、動線の邪魔をしていないか、隣や近くに置いてある家具が問題なく使えるかどうか、高さもどのくらいの高さなら置けそうなのかを確認しましょう。隣が扉付きの家具の場合、床からの扉の位置や、扉を全開した時にどのくらい干渉するも確認しておきましょう。スマホやケータイなどで写真に撮っておくと、家具を買いに行ったときにイメージしやすくなると思います。そして、実際に家具を買うときには、採寸したサイズよりも小さいものを選びましょう。間違っても、オーバーしてはいけません。ピッタリサイズも危険です。

2. 釣り型の照明は、地震大国日本では脅威に

部屋の雰囲気を演出するのに、効果的なインテリアのひとつが照明です。間接照明を使って落ち着いた雰囲気を演出することもできますし、シャンデリアを付けることで、華やかな部屋になりますね。しかし、地震大国日本では、天井から釣るタイプの照明は大変危険です。電球自体がガラスでできている上に、電球の傘も陶器やガラス製品のものも多いので、地震で揺られて割れる可能性が大変高いのです。照明に限らずぶら下がるものは、ほかの家具にぶつかったりして落下する可能性もあります。釣り型の照明をつけるとしても、玄関や階段など人があまり集まらない場所にしましょう。

3. 天板がガラスの製品には注意

ガラス天板のテーブルや、ガラス棚の食器棚などは、とても素敵な空間を演出してくれますが、使い勝手の面からすると、購入は慎重にした方がいいですね。ガラス天板のダイニングテーブルなどは、食器を置くたびにカツーンと触れ合う音がしますので、その音が苦手な人には不快に感じられます。テーブルクロスを敷いたりできない場合は、より慎重に選びましょう。ガラスの食器棚も同じように、飾り棚ならば出し入れは少ないのでストレスを感じないで済みますが、日常使う食器棚などがガラスの仕切り棚だった場合、触れ合う音が苦手な人には、使うたびに苦痛になりますので、ほかの素材にした方がよいでしょう。

4. 毛足の長いラグがアレルギーの原因になるかも

毛足の長いラグは手触りがよくクッション性もありそうなので、ついつい選んでしまいがちですが、掃除がしにくいため、ハウスダストの温床になりやすいものです。ペットのいる家では特に、毛足の長いラグは置かないようにしましょう。

5. 革製品は通気性の良いところで使う

ニオイが強い製品にも注意が必要です。店頭に展示されている家具は、展示されて時間がたっているものはニオイはあまり残っていないことが多いので気が付きにくいですが、購入したての本革のソファーなど、空気に触れている時間が短いものは、ニオイもきつくしっかりと残っています。換気の悪い部屋に置いておくと、部屋に革のニオイが充満しますので、換気を十分に行える部屋に置くとよいでしょう。

上記はあくまで一例に過ぎませんが、やはり店頭で悩むようなことがあれば、一旦ご自宅に帰って冷静さを取り戻すことも大切です。家具購入は決して安い買い物ではなく、長く使い続けて、はじめてその価値が増してくるものですので、使い勝手が悪くすぐに嫌になってしまうような家具では、本来の価値を見出すことができなくなってしまうのはもちろん、余計な出費を重ねてしまうことになりかねないという点を十分認識しておく必要があります。

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