テレワークに移行した方やフリーランスで在宅勤務をしている方は、仕事中にどのような椅子を使用していますか? 家にあった椅子をとりあえず使っている場合、肩がこる、腰が痛い、座り心地が悪いなどの悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか。
しかもその不調、放っておくと、仕事に集中できず効率が落ちたり、症状が悪化してしまうかもしれません。お家時間が増えているこの機会に、自分に合ったオフィスチェアに買い替えを検討してみませんか?
本コラムでは、在宅勤務やテレワークが快適になるオフィスチェアを紹介します。選び方とおすすめのメーカー・ブランドをチェックして、自分に合う一脚を見つけましょう!
テレワーク・在宅勤務の増加により注目が高まるオフィスチェア
2020年、新型コロナウイルス感染症が発生し、その対策のひとつとしてオフィス出勤を控え、自宅で仕事をする人が増えています。職場とは違う環境での仕事や、慣れない椅子に長時間座っての作業は、自分で思っている以上に心身を疲労させます。
こうした背景から、自宅でも職場同様に作業しやすいオフィスチェアや、長時間座っていても疲れにくいゲーミングチェアが注目されています。
オフィスチェアに求められる機能
オフィスチェアには、多機能なものから、機能を最低限にしぼったシンプルなものまで、さまざまなタイプがあります。
レストの有無
オフィスチェアのレストには、おもに肘から手首あたりまでを置く「アームレスト」と、頭や首を支える「ヘッドレスト」があります。
アームレストには、
- 姿勢を保ち肩への負担を軽減できる
- 休憩や立ち上がるときの支えになる
などの効果があります。ただ、長時間座ることが少なく、立ったり座ったりが多い方にとっては、動作の妨げになったり、窮屈に感じられるかもしれません。
椅子に後付けできる商品もあるので、アームレストの有無で迷っている場合は、まずはレストなしのものを選んでもよさそうです。
ヘッドレストは、背もたれを倒して仮眠や読書をする人には非常に便利な機能です。一方、デスクでパソコンを操作したり、書きものをしたりするのがメインの場合は、使用する機会はあまりないかもしれません。デスクワーク向けのオフィスチェアには、ヘッドレストが搭載されていない商品も多いです。レストの有無は、オフィスで仕事をしているときの実際の動きをイメージして決めるとよいでしょう。
ロッキング機能
ロッキング機能とは、後ろに寄りかかると背もたれが倒れる機能で、リクライニング機能ともいわれています。
ロッキング機能や調節機能の名称は商品やメーカーによって異なりますが、
- 背のみロッキング
- 背と座面のロッキング
- シンクロ・ロッキング
- ロッキング強弱調節機能
- ロッキング(角度)固定機能
などの種類があります。
背のみロッキングは、最もシンプルなロッキング機能で、背もたれだけが後ろに倒れます。
背と座面のロッキングは、背もたれと座面がつながっており、座面と背もたれが同角度に可動します。
シンクロ・ロッキングは、独立している背もたれと座面がシンクロしながら動きます。体の動きに合いやすく、体に負担が少ないとされています。
ロッキング強弱調節機能は、体重に合わせてロッキングの力を調節します。
ロッキング(角度)固定機能は、背もたれに体重をかけて調節した角度を固定できる機能です。角度が段階になっているものと、無段階タイプがあります。
座面の高さ調節機能
ほとんどのオフィスチェアは、座面の高さが調節できます。作業中の姿勢を保ち、肩や腰に負担を与えないための重要な機能です。
腰かけたとき、膝の角度が直角になり、足裏が床に接する高さがベストといわれています。
在宅仕事をダイニングテーブルで行なっている人もいるかもしれません。ただし、ダイニングチェアは高さが調整できないものが多いため、長時間作業する場合は、オフィスチェアの方が体に負担がかかりません。
座面の奥行き調整機能
椅子に腰かけるときは、背もたれと背中の間にこぶし1個分のすき間を空けると良いといわれています。あまり深く腰かけると、膝裏が圧迫されてむくみの原因になり、浅すぎると姿勢が崩れてしまうためです。
また、人間の脚の長さは身長によって異なります。こぶし1個分のすき間を空けても、膝が圧迫されて足に負担がかかってしまうときは、座面の奥行きが調整できるオフィスチェアを選ぶと良いでしょう。
ただ、座面の高さ調整に比べると、奥行き調整ができるオフィスチェアは多くはありません。また、価格も高くなりがちなことも覚えておきましょう。
ヘッドレストの調節機能
ヘッドレストの高さや奥行きを調整できるオフィスチェアもあります。ヘッドレストの位置が体に合っていないと、首から腰に負担がかかってしまいます。
とくに、オフィスチェアで気持ちよく休憩したいという方は、背が倒せるロッキング機能のほかに、首や肩が楽になるヘッドレスト調整機能にも注目してみましょう。
オフィスチェアの選び方
オフィスチェアを選ぶうえでまずチェックすべきなのは、見た目や座り心地、価格です。さらに、毎日長時間使用するものならではの要注目ポイントも押さえておきましょう。
種類で選ぶ
オフィスチェアは、大きく分けて
- 比較的安価でシンプルな事務用チェア
- 自分の好みに調整しやすい高機能チェア
- 長時間の作業性を重視したゲーミングチェア
- デザイン性、快適性、高級感を兼ね備えたエグゼクティブチェア(社長椅子)
の4種類があり、デザイン・価格・機能性の3つにそれぞれの特徴や個性があります。
妥協できない条件をとくに決めていない方は、4種のチェアの個性を比較して決めるとよいでしょう。
背もたれの高さで選ぶ
背もたれを使用する人、デザインを重視する人にとって、背もたれの高さは重要なポイントです。
- 比較的安価で短時間作業向けのローバック
- ローバックとハイバックの中間ミドルバック
- 高機能かつ高級感のあるハイバック
の3タイプの高さから、価格や作業性で選ぶことになります。安価な事務用チェアはローバック、高機能チェアやゲーミングチェアは、腰の負担を軽減する機能や、背もたれを倒して休憩するためのハイバック仕様なことが多いです。
背もたれの高さにこだわりがない方は、ミドルバックのオフィスチェアがおすすめです。ローバックよりもおしゃれで機能性が高く、ハイバックほど空間を圧迫せず、重苦しさがありません。シンプルなものから、個性的で映えるものまで、デザインが幅広いことも特徴です。
価格帯で選ぶ
低価格なことを重視する方は、シンプルな事務用チェアがおすすめです。3,000円~5,000円で購入できるうえ、カラーバリエーションが豊富という魅力もあります。
予算が1万円~4万円なら、高機能チェアやゲーミングチェア、おしゃれなオフィスチェアも選べます。「椅子に数万円も払うのは気が引ける」という方は、
- 作業効率を落とさないこと
- 体への負担が軽減できること
- 数年間使用できること
を考えれば、それほど高くない買物だと思えるかもしれません。価格だけにとらわれず、快適性と作業性も意識してみましょう。
サイズ感で選ぶ
ひと口にオフィスチェアと言っても、シンプルな事務用チェアと、高級感重視のエグゼクティブチェアでは、サイズが大きく異なります。標準サイズの部屋にエグゼクティブチェアを置いてしまうと、空間に圧迫感を与え、移動や掃除など生活動線の妨げになるかもしれません。
コンパクトサイズでも、座り心地の良い椅子もたくさん販売されています。逆に、ボリュームがあってふかふかな見た目をしていても、実際の座り心地が体に合っているとは限りません。
また、椅子の周辺に壁や物がないか、背もたれを倒すスペースがあるかなど、実際に使用している状況・サイズ感をイメージすることも忘れずに。
作業時間・ライフスタイルに合わせて選ぶ
- 毎日1~2時間程度しか座らない
- 立ったり座ったりが多く、座りっぱなしにならない
という方は、デザイン性や価格に軸を置いてオフィスチェアを選びましょう。座っている時間が短ければ、肩や腰の負担が抑えられ、高機能な椅子を購入する必要はないかもしれません。
- 肩や腰の負担を和らげたい
- 自分に合う姿勢がとれるように細かく調整したい
という方は、座面やレストが調整できて、体に負担がかかりにくい高機能チェアがおすすめです。作業に集中すると2〜3時間座りっぱなしになる人もいるでしょう。無理のある姿勢が体に与える負担は、日々蓄積されていきます。多少高額であっても、高機能チェアの使用が体への負担を軽減し、将来、加齢による関節の痛みを予防する可能性もあります。
素材で選ぶ
オフィスチェアの張地(素材)は、通気性・デザイン性・価格を左右するポイントになります。張地には、ファブリック・メッシュ・PUレザーなどがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
ファブリック
リーズナブルな事務用チェアに使用されていることが多く、比較的安価な素材です。在宅勤務はもちろん、事業所など一度にまとめて購入する際にもおすすめです。
やわらかい手触りが心地よく、多くの人になじみやすい素材です。カラーバリエーションが豊富で、自宅のインテリアのテイストやテーマに沿ったカラーが選べます。反面、液体が浸み込みやすく、汚れをきれいに落とすのが難しいという弱点があります。
メッシュ
通気性に優れ、夏場や座りっぱなしでも蒸れにくいことが最大のメリットです。1万円以下の比較的安価なオフィスチェアをはじめ、有名ブランドや高機能チェアにも使用されています。
PUレザー
ポリウレタンでできた合成皮革です。皮革調で高級感があり、シックな色合いでまとめた部屋の雰囲気を壊しません。
見た目のメリットだけではなく、飲み物をこぼしたとき、表面を手入れしたいときに濡れタオルを使えばサッと拭ける手軽さもあります。一方で通気性が悪く蒸れやすいので、暑い部屋で長時間座っていると不快に感じるかもしれません。
また、座面の素材には、メッシュのほかにウレタンやモールドウレタンがあります。
ウレタン素材は多くのオフィスチェアで使用されている、ごく普通の座り心地です。モールドウレタンは、ウレタンよりも硬いものの、座り続けても疲れにくいというメリットがあります。
機能で選ぶ
オフィスチェアの機能は最小限で良いという方は、座面の高さの調節機能、座り心地が合うもの、デザイン性に条件を絞ると、スムーズに決められるかもしれません。
機能性を重視したい方は、必要な機能と不要な機能を想像してみましょう。たとえばオフィスチェアとして有名な「エルゴヒューマン」は、ハイブリッドレバーひとつで、座面の高さ・奥行き・リクライニングが調整可能です。
また、アームレストの角度・位置・高さを調整することで、自分の体に合う座り心地を追求できます。人間工学に基づいた設計は快適性が高く、作業効率のアップも期待できるでしょう。
デザインで選ぶ
オフィスチェアは、室内の雰囲気をガラッと変える家具のひとつです。よくも悪くも部屋の印象を左右します。たとえば、かわいらしい部屋にクールな印象のゲーミングチェアを置くと、インテリアの統一感を損なってしまいます。これを避けるには、ほかの家具や雑貨類、壁紙や床材と合わせたデザインの椅子を選ぶとよいでしょう。
修理対応やサポートで選ぶ
オフィスチェアを長時間使用したり、頻繁に座ったり立ったりしていると、座面の昇降レバーなど稼働部分が壊れて動かなくなるケースもあります。初期不良のサポートや、故障時の修理対応の方法や手順をチェックしておきましょう。
高価なオフィスチェアを購入したのに、一切保証がなく捨てざるをえない…なんて納得できませんよね。事前に販売店やメーカーの公式ホームページから、修理依頼や相談ができるかを把握したうえで購入するといざというときも安心です。
座った感覚や快適性で選ぶ
オフィスチェアは、使用する本人が快適に感じるもの、長時間座っていられるものを選びましょう。
値段が高ければ快適、安ければ座り心地が悪い・作業がしにくいとは一概にはいえません。ネットで話題になっているもの、お買い得になっているものに目が行きがちですが、一度実際に座ってみることが失敗の少ない選び方です。
納期で選ぶ
テレワークの急増によってチェアの在庫が品薄になり、人気のオフィスチェアは手元に届くまで時間を要するケースもあります。
SNSやテレビの影響力は大きく、メディアで紹介された商品はメーカー欠品になることも少なくありません。商品によっては、納期が数週間先になることもあるようです。
とくにオンラインショップで購入を検討している場合は、在庫状況と納期を必ずチェックしておきましょう。
人気&おすすめのオフィスチェアメーカー8選
メーカーによって機能やデザインに個性や特徴があります。入念にチェックしましょう
オカムラ
株式会社オカムラは、神奈川県横浜市に本社を置く、家具・産業機械などを扱うメーカーです。主にスチール製品を展開しており、スチールならではのクールな質感が特徴です。
オフィスチェアのラインナップは豊富で、機能はシンプルでありながら快適性が高い「エントリーチェア コンパクトタイプ」や、高級感と高機能が特徴の「Duku(デューク)」まで幅広く製造しています。
上品かつ個性的なカラーバリエーションで、どんな雰囲気の部屋にもマッチする一脚が見つかるはずです。
イトーキ
株式会社イトーキは、東京都中央区に本社を置く、事務用品・設備を扱うメーカーです。オフィスチェアは、スタイリッシュなデザインのものから、仕事部屋をかわいらしく彩るキュートなデザインまで豊富に揃います。
高級感を前面に出しながら、多機能な面をもつエグゼクティブチェア「LEONIS(レオニス)」、人間工学に基づいた座り心地で、2007年にグッドデザイン賞金賞を受賞した「Spina(スピーナ)」、コスパ重視の「Lietto_R(リエットR)」などがあり、デザインや価格が幅広いため、多くの人が選びやすいメーカーです。
コイズミ
コイズミファニテック株式会社は、大阪府大阪市に本社を置く、学習家具や書斎家具を扱うメーカーです。グループ会社には「小泉成器株式会社」があります。家電や美容機器のブランド「コイズミ」の名前を耳にしたことがある人もいるでしょう。
コイズミは学習机とそれに関連する製品がメインで、他メーカーと比較するとラインナップは少ないものの「書斎用チェア」は体に負担がかかりにくく、シンプルなデザインが魅力です。
書斎用チェアは、背もたれの角度が調節できるロッキング(リクライニング)機能、座面の奥行きと高さの調節ができるタイプもあるため、自分の体に合う座り心地が体験できます。
コクヨ
コクヨ株式会社は、大阪府大阪市に本社を置く、オフィス家具や文房具を扱うメーカーです。「Campus」のロゴが入ったキャンパスノートは、多くの人がご存じかもしれません。
コクヨのオフィスチェアは、仕事の生産性と体への負担を軽減する商品がラインナップします。機能性のあるシンプルなタイプから、10万円を超える多機能かつ快適性を追求した「INSPINE」が販売されています。
オフィス向け家具を展開するコクヨですが、サイズ感やデザインは個人宅での使用にも最適。これから在宅勤務をする方の強い味方となるでしょう。
エルゴヒューマン
エルゴヒューマンは、福岡県大川市に本社を置く、株式会社関家具が製造する高級オフィスチェアです。商品はどれもエルゴノミクス(人間工学)に基づいています。ヘッドレスト・アームレスト・背もたれ・座面を細かく調整し、自然な座り心地を体験できます。
座ったときのクッション性や調節機能の豊富さ、長時間の作業も負担になりにくいなど、実際に座った人にしかわからない快適さがあります。
高価ではありますが、毎日何時間もオフィスチェアに座って作業する人にとっては、快適性と作業効率の高さを実感できるでしょう。
エコーネス
エコーネスは、ノルウェーに拠点を置く家具メーカーで、リクライニングソファの「ストレスレスシリーズ」が知られています。オフィスチェアもあり、その名の通り、心身のストレスを感じさせない座り心地が特徴です。
北欧らしいシンプルかつスタイリッシュなデザインで、皮革素材が部屋全体の高級感を高めます。長時間デスクで作業をする人よりも、パソコンで動画を見たり読書を楽しんだりと、ゆったりとした時間の過ごし方に適しています。
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ハーマンミラー
ハーマンミラーは、アメリカに本拠地があるオフィス家具のメーカーです。日本の家具メーカーにはない、個性的なデザインとカラーが特徴ですが、快適性も抜群といわれています。
シンプルなワークチェアから、高級なエグゼクティブチェアまで取り扱っており、どのタイプも最高の心地よさを堪能できるでしょう。ハーマンミラーならではのこだわり抜いたデザインは、仕事部屋の主役になるほど魅力的な存在です。
多くの商品は10万円以上と非常に高価ですが、ハーマンミラーにしかない個性を手に入れたい方におすすめです。
スチールケース
スチールケースは、アメリカに本拠地があるオフィス家具メーカーです。同じオフィスチェアでも、バック(背もたれ)、アームレスト、ヘッドレストの有無など、用途やサイズ感、室内の雰囲気に合わせたデザインが選べます。
人間の自然な動作や座り方に対して研究を行っているため、あらゆる人にとって快適性を実感できるでしょう。機能性に加えて、張地のデザインや細かなデザインにもこだわりがあります。オフィスチェアだけではなく、デスクやオフィス雑貨もスチールケースで揃えれば、極上の空間ができあがるでしょう。
オフィスチェアをお得に購入するならアウトレットイベントがおすすめ!
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本コラムでオフィスチェアの選び方とメーカーをチェックしたあとは、お住まいの地域で気になるアウトレットイベントを探してみましょう!