furniture_painting_finish 家具の塗装仕上げとは?種類別の特徴と選び方を徹底解説

ダイニングテーブルを拭く女性

「デザインも気に入ったし、この家具にしよう!」──そう思って購入した家具。数年後に「思ったよりキズがつきやすい」「水ジミが……」と後悔したことはありませんか?
その原因、実は家具の「塗装仕上げ」にあるかもしれません。

家具の塗装は、見た目以上に大切な役割を果たします。この記事では、「家具の塗装仕上げとは何か?」「どんな種類があり、どう選べばよいのか?」を、これから家具選びをはじめる初心者さんにも分かりやすく解説します。家具選びで後悔しないために、ぜひ最後までチェックしてください。

家具の塗装仕上げとは?質感・耐久性・手入れのしやすさを決める重要ポイント

家具の塗装仕上げとは、木材の表面に塗料やワックス、オイルなどを施して仕上げる工程のこと。実はこの“見えないこだわり”が、家具の印象や使い勝手、さらには寿命までも左右する重要な要素です。

1. 質感の演出 ── 手ざわりも見た目も塗装で変わる

家具に触れた瞬間の「さらっと感」や「なめらかさ」、光が当たったときのツヤ感やマット感など、私たちが感じる“質感”の多くは、塗装によってつくられています。

たとえば、ウレタン塗装はしっかりとした光沢があり、現代的なインテリアにマッチします。一方、オイル仕上げはナチュラルで素朴な風合いを引き立て、木のあたたかさをそのまま手に伝えてくれます。同じ木材でも塗装方法が違えばまったく異なる印象になる──塗装は家具の表情に大きく影響を与えるのです。

2. 耐久性の向上 ── 傷や汚れ、湿気から家具を守る“見えない盾”

家具は毎日の暮らしの中で多くのダメージにさらされています。食べこぼし、水気、熱、湿気、紫外線、そして小さな衝撃……。塗装はこれらから木材を保護するバリアの役割を果たします。

特にウレタン塗装やUV塗装は、耐水性・耐摩耗性・耐熱性に優れており、日常使いに強いのが特徴です。逆に、オイル仕上げやワックス仕上げは保護力こそ控えめですが、そのぶん塗り直しや修復がしやすいというメリットがあります。
塗装を正しく選ぶことで、家具の美しさと機能性を長持ちさせることができるのです。

3. お手入れのしやすさ ── 毎日の掃除が変わる!

塗装仕上げは、家具の「メンテナンス性」も大きく左右します。例えばウレタンやUVなどの硬質な塗装は、濡れた布でサッと拭くだけでOK。油汚れや水ジミにも強く、忙しい家庭や子どものいるご家庭でも安心して使えます。
一方、オイル仕上げやワックス仕上げは、汚れやシミがつきやすく、定期的な再塗布などのケアが必要です。ただし、その分「手をかけながら育てる」感覚があり、愛着が深まるという声も少なくありません。

家具の使い方に応じて、楽に使いたいのか、丁寧に育てたいのかを基準に塗装を選ぶことで、長く付き合える家具を選ぶ近道になります。

塗装仕上げは「見た目」も「暮らしやすさ」も変える

家具を選ぶ際、素材やサイズに注目する方は多いですが、「どんな塗装が施されているか?」をチェックしている人はまだ少数派かもしれません。ですが実はこの仕上げこそが、暮らしの快適さに直結する大切な要素なのです。

塗装の特徴を知ることで、「見た目の好み」+「実際の使いやすさ」の両立が叶います。次の家具選びでは、ぜひ塗装にも目を向けてみてください。

ナガノインテリアの家具を体感・購入できるイベントをチェック

家具の塗装仕上げ、どう選ぶ?後悔しないための3つのチェックポイント

「ウレタン塗装」「オイル仕上げ」「UV塗装」いったように、家具の塗装には多様な種類がありますが、何を基準に選べば良いか分からないという方も多いのではないでしょうか?
ここでは、初心者さんでも迷わない、塗装仕上げ選びの3つのポイントをご紹介します。家具を長く大切に使うために、ぜひチェックしておきましょう。

Q1. メンテナンスが楽なのは?|掃除・お手入れのしやすさで選ぶ

日々の暮らしで使う家具は、水汚れ・手アカ・食べこぼし・ほこりなど、さまざまなダメージにさらされます。特に小さなお子さんがいる家庭や、忙しくて頻繁なお手入れが難しい方には、「お手入れが楽」な仕上げがおすすめです。

✔ おすすめ仕上げ:ウレタン塗装・UV塗装

ウレタン塗装は厚い塗膜で木をコーティングしているため、水拭きができ、シミや傷がつきにくいのが特徴。
UV塗装はさらに耐傷性・防汚性に優れており、光沢感があるのでキッチン家具やダイニング収納にも最適です。
一方、オイル仕上げやワックス仕上げは、定期的な塗り直しが必要なため、こまめな手入れができる方や、家具の経年変化を楽しみたい方に向いています。

Q2. 木の風合いを感じたい?|自然な質感を重視するなら

「木のぬくもりを感じられる家具が欲しい」「触れたときに自然素材らしい質感があると嬉しい」──そんな方におすすめなのが、塗膜をほとんど作らない仕上げです。

✔ おすすめ仕上げ:オイル仕上げ・ワックス仕上げ

オイル仕上げは天然オイルを木に染み込ませることで、木の呼吸や質感を妨げずに保護。経年変化によって色合いが深まり、味わいのある表情になります。
ワックス仕上げはやさしいツヤ感と手ざわりが魅力で、自然素材志向やナチュラルインテリアとの相性が抜群です。
このタイプは水や熱に弱いため、水まわりや食卓よりも、ローテーブルやリビング家具に向いています。

Q3. どんな場所で使う予定?|使用環境に合わせた「最適な仕上げ」を

家具の塗装は、使用する場所や目的に合わせて選ぶことも大切です。なぜなら、湿気・熱・摩擦などの外的要因が家具に与える影響は大きく、合わない塗装・仕上げを選ぶと早く劣化してしまうこともあるからです。

使用場所・シーン 向いている塗装仕上げ 理由
ダイニング・キッチン UV塗装・セラミック塗装 耐水・耐汚れ性が高い
リビング・寝室 オイル仕上げ・ウレタン塗装 快適な手触りと見た目
子ども部屋 ウレタン塗装・ワックス仕上げ 安全性&メンテナンス性
作業台・天板 セラミック塗装 高い耐熱・耐摩耗性

このように、使う場所を明確にすると、必要な性能(耐水・耐熱・手触りなど)も見えてきます。塗装選びに迷ったら、まず「どこで」「どんな風に」家具を使用するかをイメージすることが大切です。

浜本工芸の家具を体感・購入できるイベントをチェック

主な家具の塗装仕上げ5選とその特徴

家具の仕上げに使われる塗装にはさまざまな種類があり、それぞれに見た目・機能性・メンテナンス性・安全性といった特徴があります。ここでは、家具の塗装でよく使われる5種類の塗装仕上げをピックアップし、特徴や選び方のポイントをわかりやすく解説します。

ウレタン塗装|耐久性と手入れのしやすさが魅力の万能仕上げ

ウレタン塗装は、家具に施される塗装仕上げの中でも最もポピュラーな方法のひとつ。ウレタン樹脂による厚い塗膜が家具の表面をしっかりとコーティングし、水・汚れ・熱・キズに強いのが特徴です。

  • ・テーブルやチェストなど日常的に使用頻度の高い家具に最適
  • ・ツヤあり・ツヤなし(マット)の選択肢があり、インテリアの雰囲気に合わせやすい
  • ・水拭きできてお手入れが簡単。忙しい家庭にもおすすめ

———————————–

✔ こんな方におすすめ: お手入れの手間を減らしたい人、小さなお子さまやペットがいるご家庭

オイル仕上げ|木のぬくもりと風合いを活かす自然派仕上げ

オイル仕上げは、天然由来の植物性オイルを木の内部に染み込ませて保護する塗装方法です。木の質感や香り、手ざわりをしっかり楽しめるのが魅力で、ナチュラル派や北欧風インテリアとの相性も抜群。

  • ・塗膜がないため、木本来の通気性や調湿性を損なわない
  • ・傷がついても目立ちにくく、簡単なメンテナンスで補修できる
  • ・定期的にオイルを塗り直すことで風合いが深まっていく

———————————–

✔ こんな方におすすめ: 天然木の質感を楽しみたい方、家具の経年変化を味わいたい方

UV塗装|傷や汚れに強く、美しさが長続きする“機能派”仕上げ

UV塗装は、紫外線(UV)を使って硬化させる高機能塗装。硬度の高い塗膜が特徴で、擦り傷や汚れ、紫外線による色あせに強く、長期間美しい状態を保つことができます。

  • ・耐傷性・耐水性に優れており、ダイニングテーブルや学習机に多用
  • ・光沢感があり、現代的で高級感のある印象を演出
  • ・簡単なお手入れで清潔をキープできる

———————————–

✔ こんな方におすすめ: 高機能で長持ちする家具を探している方、子ども用や業務用家具を検討中の方

セラミック塗装|熱・水・傷に強い最強クラスの耐性を誇る仕上げ

セラミック塗装は、ガラスや陶器にも使われるセラミック成分を用いた塗装方法で、家具の中でも特に耐熱性・耐水性・耐傷性に優れたタフな仕上げです。

  • ・キッチンボードやダイニングの天板、作業台に最適
  • ・鍋を直接置いてもOKな耐熱性、洗剤・薬品への耐性も高い
  • ・モダンでスタイリッシュな雰囲気に仕上がる

———————————–

✔ こんな方におすすめ:調理や作業でハードに使いたい方、耐久重視で家具を選びたい方

ワックス仕上げ|ナチュラルで安全性の高い、やさしい仕上がり

ワックス仕上げは、蜜蝋や植物性ワックスを使ったナチュラル仕上げ。オイル仕上げと同様に木の表情を活かすタイプで、光沢を抑えたやわらかで自然なツヤが魅力です。

  • ・小さなお子さまにも安心な安全性の高い素材を使用
  • ・水にはやや弱いが、手ざわりの心地よさが際立つ
  • ・細かなキズも目立ちにくく、自然素材ならではの経年変化が楽しめる

———————————–

✔ こんな方におすすめ:安全性を重視したい方、ナチュラル系インテリアが好きな方

塗装仕上げの特徴早見表

仕上げ 質感 耐久性 メンテナンス性 木の風合い 主な用途
ウレタン ツヤあり/なし テーブル、TV台など
オイル マット・ナチュラル 椅子、リビング家具など
UV 高光沢 ◎◎ 学習机、収納、ダイニング
セラミック シャープ・マット ◎◎◎ キッチンボード、天板
ワックス ナチュラル・やさしい ベビーベッド、小家具

このように、家具の塗装仕上げには明確な特徴と適材適所の考え方があります。デザインや予算だけでなく、「どんな風に使いたいか」「どんな空間に置きたいか」をイメージして、最適な仕上げを選ぶことが、長く愛用できる家具選びのコツです。

飛騨の家具を体感・購入できるイベントをチェック

まとめ:家具選びは塗装までこだわって“本当に好きな一台”を

リビング・ダイニングの風景

家具選びというと、デザイン・サイズ・価格などに注目しがちですが、「塗装仕上げ」も家具の使い心地や寿命に大きく関わる重要な要素です。
塗装は、ただ見た目を美しくするだけでなく、木材を保護し、触り心地や手入れのしやすさを左右する「家具の最終的な完成度」を決定づける仕上げ工程。たとえば、同じ木材を使った家具でも、ウレタン塗装とオイル仕上げでは、まったく異なる印象と使用感になります。

だからこそ、“本当に長く使いたい家具”を選ぶには、「塗装の種類」にも目を向けることが大切です。

暮らしと家具の相性は「仕上げ」が決め手になる

自分のライフスタイルに合った塗装仕上げを選ぶことで、家具はより快適で愛着の持てる存在になります。

  • ✔ 忙しい日常には、お手入れが簡単なウレタンやUV塗装
  • ✔ 素材のぬくもりを感じたいなら、オイルやワックス仕上げ
  • ✔ 熱・水に強い家具が必要なら、セラミック塗装

こうした選び分けをすることで、「せっかく買ったのに手間がかかる」「すぐに傷んでしまった」といった失敗を防ぐことができます。

家具店で確認したい!塗装仕上げのチェックポイント

実店舗で家具を購入する際は、塗装の種類が明記されていないことも少なくありません。以下のようなポイントをチェックしておくと安心です。

1. 素材表示を確認する

「ウレタン樹脂塗装」「オイル仕上げ」などと明記されているか、スタッフに確認しましょう。

2. 実際に触れてみる

ツヤ感・手ざわり・滑り具合など、写真ではわからない感覚を確かめるのが大切です。

3. メンテナンスの方法を聞く

オイル仕上げなどは定期的なお手入れが必要なため、自宅でできるメンテナンス方法を聞いておくと◎。

4. 用途や設置場所を伝える

どの塗装が合っているか分からないときは、使用目的や置き場所を伝えることで、店員が最適な仕上げを提案してくれることもあります。

最後に:塗装まで見てこそ、本当に“満足できる家具選び”に

家具は暮らしの中で毎日触れるもの。見た目の美しさだけでなく、使い心地やメンテナンス性といった「リアルな使用感」こそが、家具の満足度を左右するポイントです。

だからこそ、デザインや木材だけでなく、「塗装仕上げ」にまでこだわって選ぶことで、10年後も“買ってよかった”と思える家具に出会えるはず。見た目と使い勝手のどちらも妥協せずに、あなたの暮らしに寄り添う一台を選んでください。

カリモク家具を体感・購入できるイベントをチェック

監修者情報

家具インテリア・寝具のWEBサイト「Seiloo」「SHOPNAVI」「MyGallery」などを運営する株式会社ヘヤゴトの編集長。家具のプロとして、皆様の生活に役立つ情報を発信しております。

住生活を豊かにする家具の情報をみんなに共有しよう!