郷愁感満載のノスタルジックインテリアの魅力
古さを感じるデザイン、使い込まれた風合い、ヴィンテージ感のある家具でコーディネートしたインテリアが人気です。キズや汚れを付けないよう気遣う新品のインテリアと違って、新品のアイテムには出せない、ダメージ部分がかえって味になることも、人気の理由のひとつと言えるでしょう。
レトロコーデを色でいえば、
少しくすんだ色合いや暖色系、黄昏や夕日の色合い
でしょうか。夕日ってどこかノスタルジックですよね。1日の終わりが近づいてきて、家に帰る時間になる。
家に帰ったら美味しいご飯を食べよう、ビールを飲もう、などと1日の疲れを癒す時間のことを考える……。
誰しも、帰る場所「ホーム」があると安心するもの。ノスタルジックなインテリアやレトロ感のある部屋は無意識にそういうホーム感を感じさせてくれるのかもしれませんね。
そんなどこか懐かしくて暖かみのあるノスタルジックコーディネートは、
子供の頃に使っていたテーブルやガラス瓶などの雑貨、実家から持ってきた棚や箱などが活用できる
のも魅力。今あるものを上手に活かしてアレンジできるので、お財布にも地球にも優しいエコロジーなインテリアと言えるかもしれません。
また、部屋の内装が古びていたり、今流行っている作りではない場合も、それを逆手に取ってオシャレな空間にしてしまえるのがノスタルジックコーディネートの特長。古いガラス窓や漆喰の壁などのいかにも昭和な内装であっても、居心地が良く落ち着く部屋に変身させられます。
この記事では、そんなノスタルジックでレトロなインテリアの作り方について解説していきます。
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ノスタルジックコーディネートのポイント
築年数の古い物件であれば昭和な内装をそのまま生かし、新築や築浅の物件でも照明や家具の選び方で十分レトロ感を出していけます。ノスタルジックインテリアにするための内装や照明、家具やファブリック類のポイントを紹介します。
内装
昭和の感じさせる内装ならば、それをそのまま生かしましょう。部屋の枠木、柱、古い窓ガラスはそのまま使えます。壁に染みがあったり、日焼けやたばこなどで変色していたりするなら、改装がOKならば、室内用のペンキで塗り直すとよいでしょう。色は白やクリーム色などの定番色だけでなく、くすんだ青やグリーン系のスモーキーな色もおすすめ。最近は素人が室内で簡単に使える塗料も多く出ていますので、はじめてのペンキ塗りでも意外にきれいに仕上がるものですよ。
賃貸などで壁に手を加えられない場合は、貼って剥せる壁紙を活用したり、汚れなどが目立つところに本棚を置いたり、絵を飾ったりして隠してしまいましょう。また、タイルを使うとレトロな雰囲気が一挙に出るので、キッチンカウンターや玄関のボードの天板などにあしらってみるとよいでしょう。
照明
ノスタルジックインテリアのポイントは懐かしさ。灯りの色は夕日を思わせるような暖色系がおすすめ。
そのため、照明の色は電球色がよいでしょう。ペンダント照明ならばシェードを工夫してみましょう。ガラスや布のシェードやステンドグラス、ブリキのシェードもかわいいですよ。またスタンドを使った間接照明も部屋に奥行きを出してくれます。照明器具はさほど値段がしないので、取り入れやすいアイテムです。
レトロ感のある家具のセレクト
目線を低くするとレトロ感が出るため、ちゃぶ台や茶箪笥などがおすすめ。また、レトロなインテリアは和洋折衷もOKなので、畳に猫脚のアンティーク家具も意外とマッチします。色合い的には茶色いニスを塗った木がレトロ感を出してくれますが、これといった決まりがあるわけではないので、白い家具ももちろんあり。ひところ流行った医院用の薬棚、ドクターキャビネットなどもいいですね。そういった、ひとつ軸になる家具があるとオシャレに決まります。新品の合板の家具を自分でダメージ塗装するのもおすすめ。
カーテンやファブリック類
ノスタルジックなインテリアを作るなら、カーテンなどのファブリック類をインパクトのある模様や柄のあるものにしてみても面白いんです。昔の洋品店で売っていたようなヴィンテージの布が見つかればなお良いのですが、ギター柄や果物の柄、ギンガムチェックなど、オシャレなインテリアの王道から少し外して、面白い柄の布をカーテンにできるのもレトロインテリアの特徴。クッションカバーやテーブルクロスもそんな観点からお気に入りの柄でコーディネートしてみましょう。
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アンティーク家具や雑貨でレトロ感を強調するテクニック
前のコーナーで少し触れましたが、もともと使っていた家具を生かしつつ、アンティークな家具を取り入れるとぐっと世界観が完成するのがノスタルジックコーデ。
もっとも、アンティークスタイルとは違い、すべてをアンティークで決め込む必要はなく、要素のひとつとして配置してみましょう。ドクターキャビネットや和の茶箪笥。ヴィクトリアンな椅子やチェストなど、存在感のある家具は、置くだけでも部屋の雰囲気をがらりと変えてくれます。
このような家具を使いつつも、合板のカラーボックスや本棚も合わせてもOK。色や質感が違っても、部屋を彩るファブリックや小物を使って、レトロ感を強めて統一感を出しましょう。
また、レトロな雑貨であれば、古道具屋で手に入る足踏みミシンや黒電話、タイプライターなどの骨董品を飾ってもいいのですが、これらの品物はその時代によほど思い入れのある方以外は中々手が出しにくいかもしれません。ですが、昔懐かしいガラス瓶、ブリキの玩具などの小物でも充分レトロ感を出すことができます。たとえば、茶箪笥の中に昔のジュースの瓶や昭和の頃の食器を並べてもインテリアを引き立てるディスプレイになるんです。
ひとつ重要なポイントを。古い内装の部屋、古い家具、暗めの照明だと薄暗い雰囲気になってしまいがちなので、小物はできれば明るい色合いのものにしましょう。
意外とプラスチックの製品や、ビビッドなオレンジやピンクの小物類もレトロコーデに役立ってくれます。
いかがでしたか。
レトロコーデにはこれといった決まりがあるわけではなく、自分の中のノスタルジーを表すインテリア。ご自身の記憶の中の懐かしくて落ち着ける素敵な部屋を、ぜひ作ってみてくださいね。
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