モダンやクラシックって明確な定義はある?
近年、インテリアコーディネートのテーマにおいても良く使われる「モダンスタイル」や「クラシックスタイル」。クラシックスタイルにおいては、過去記事「欧米スタイルなクラシックインテリアの魅力と家具の選び方」でもご紹介しているように、比較的イメージしやすいコーディネートのひとつではありますが、
モダンスタイルにおいてはいまいちピンと来ない
というのが本音かもしれません。
実際に、どのようなコーディネートがモダンスタイルなの?という明確な定義こそありませんが、モダンとは直訳すると「現代的・近代的」という意味。インテリアコーディネートにおいては、ガラスや金属類の家具や、飾り気がなくシャープな質感の家具を中心としたインテリアコーディネートに「モダン」という言葉を使う傾向にあるようです。
また、斬新なデザインの家具を使ったり、配色もモノトーンカラーで揃えたりするコーディネートもモダンスタイルやシンプルモダンという呼び方をしますので、配置する家具のフォルムや特徴だけでなく、
配色を楽しむこともできる
のがモダンスタイルの特徴と言っても良いでしょう。
今回は、そんなモダンスタイルのコーディネートの特徴とクラシックスタイルの特徴を比較しながら、それぞれのコーディネートスタイルと特徴やメリットについて検証していきます。
・モダンスタイルとシンプルモダンの違いは?
・和モダンってどんな特徴のコーディネート?
・クラシックとモダンは組み合わせられないの?
などなど、さまざまな疑問にお応えしていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
モダンインテリアの作り方とポイント
上記でご紹介したように、モダンスタイルやモダンテイストというコーディネートテーマは明確な定義がなく、やや抽象的な部分もありますが、近年人気が高まっているのも事実です。
・モダンスタイルが現代的
・クラシックスタイルが古典的
ということになり、そのスタイルの違いによって揃える家具やインテリアグッズに違いが出てくることは言うまでもありません。
モダンスタイルインテリアの特徴として、冒頭でお伝えしたような斬新なデザイン家具や、豪華で派手な装飾のないシンプルなデザインの家具を中心に構成されたコーディネートで、現代の生活環境に即したスマートなお部屋の雰囲気を演出します。
一見、殺風景であったりシンプル過ぎる印象を受けますが、決してチープ感はなく、家具ひとつ一つの存在感や統一された色使い、そして洗練された部屋全体のフォルムなど、まさに都会的なスタイルが若い世代を中心に人気の秘訣になっているようです。
構成する家具とレイアウトのポイントについては、無駄を省いた直線的なデザインのテーブルやソファ、そして何より大切にしたい点が
非日常的な開放感を得られるレイアウト
で、多くの家具やアイテムをところ狭しと配置するのではなく、あくまで機能性を重視して、実生活に必要なアイテムのみ効率的にレイアウトすることが重要です。レイアウトの技術などに高度なテクニックが必要だと思われがちですが、
立った状態での目線の高さに注目
して、レイアウトする家具に高さが出ないよう工夫することで、より開放感が得られるようにするのもモダンインテリアの特徴のひとつです。ただ、モダンインテリアでもそのテイストの違いによって、スタイリッシュモダンや和モダンなど、いくつかの分類がありますので、詳細については過去記事「オシャレなモダンテイストのダイニングチェアあれこれ」も合わせて参考にしてみてください。
クラシックスタイルの魅力とメリット
モダンスタイルにおいては、近代的で機能性を重視したシンプルなデザインの家具が中心になるということをお伝えしてきましたが、一方のクラシックスタイルにおいては、家具それぞれに重厚感があり、豪華な装飾や曲線美を活かしたデザインが反映された家具が主役になります。
配色という観点でも、モダンスタイルでは比較的クールな印象を受ける白や黒、グレーなどが使われることが多い傾向にありますが、クラシックスタイルになると木製家具や深みのある色味が特徴の家具が多く採用され、
部屋全体から気品があふれる
という雰囲気を演出します。
クラシックは、古典的であると同時に伝統的なスタイルでもありますので、スタイリッシュさを求めるコーディネートではなく、部屋全体の暖かみや中世のヨーロッパのインテリアを想起させるディテールが重視されます。そういう観点では、モダンスタイルとクラシックスタイルは相反してしまう部分も多く、両立させるのは難しいかもしれません。
モダンスタイルを好む本格派モダニストのなかでは、ラグジュアリーモダンと呼ばれる
モダンのなかでも豪華さや重厚感を重視したスタイル
がありますが、それでもクラシック家具のカラーリングを考慮すると、モダン系家具とのマッチングは難易度は高めとなりますので、モダンとクラシックの組み合わせは上級テクニックとして捉えた方が良いでしょう。
クラシックスタイルには、モダンインテリアでは再現できない優美さや荘厳さがポイントとなりますので、その魅力を存分に味わうためにも、伝統的なスタイルは崩さないようにするのがポイントです。インテリアに対する独自性や個性は出しにくいかもしれませんが、そこがまた格式高いクラシックスタイルの魅力でもあります。
クラシックを理解することで、クラシックコーディネートのレパートリーもより一層広がることでしょう。