ペルシャ絨毯の代表的デザインの一つ「オーバーオール・デザイン」についてご紹介します。
オーバーオール・デザインのペルシャ絨毯の最大の特徴は、なんと言ってもデザインの中央にメダリオンを配置せず、絨毯一面を絵画のキャンバスのように使ってデザインされている点にあります。下記写真の商品は、中央のデザインと周りのフレームとのデザインを統一したものになりますが、商品によっては額縁に入った絵画のようにフレーム部分との色を明確に分けているものが多数あります。
古都イスファハンやナインなど、古くから伝統的にペルシャ絨毯を製造している地域でこのオーバーオールに属するペルシャ絨毯が生産されることは比較的珍しく、ピクトリアル・デザインを得意とするタブリーズやで日本でも知名度の高いゴム地方、シャーレザなど新興都市での生産が活発的です。
オーバーオール・デザイン(アフシャーン)の特徴と魅力
オーバーオールすなわち総柄のデザインです。ペルシャ語ではアフシャーンと呼ばれています。
メダリオンやメフラーブのような構図をもたず、フィールドと呼ばれるボーダーより内側の部分全体をアラベスクや花柄などが展開されるデザインです。あるモチーフが反復して配置されているものは、一般にアフシャーン(オーバーオール)とは呼びません。
あくまでも絨毯一面を絵画のキャンバスのように使って描かれるデザインがオーバーオール・デザインという位置づけになります。