アカンサスの葉をモチーフに、デザインの中央に菱形のメダリオンを配置したヘラーティー・デザインは、 文様の基本形として菱形に配置された4枚の葉に花があしらわれていることが特徴で、マヒ(マーヒー)文様とも呼ばれる花文様の一つです。ヘラーティーの語源は、アフガニスタン西部の街ヘラートと言われていますが、菱形のメダリオンを見ただけでもヘラーティー・デザインと判別でき、タブリーズ産地で生産されるペルシャ絨毯に多くみられるデザイン文様です。
タブリーズで生産されるペルシャ絨毯は、織手が特殊な針を使っており、力づよく丈夫だと評判です。
ヘラーティー・デザイン(リーズ・マーヒー)の特徴と魅力
アカンサス(ハアザミ)の葉が様式化され、菱形に組み合わさ ってできる花文のモチーフは、ペルシャのヘラート(現アフガニスタン)に起源があると考えられてきたことからヘラーティー(ヘラティー)と呼ばれています。
また、この葉の形が魚に似ることによりマーヒー(ペルシア語で魚)と呼ばれることもあり、この絨毯のように小さなヘラーティ ー・パターンで構成されたデザインは、リーズ・マーヒー(小さな魚)と呼ばれます。デザインの特徴は、全体的に落ち着いた色彩のアンティーク様式である点が挙げられます。
主な産地はタブリーズやビルジャンド地方で、パネル・デザインの絨毯なども積極的に生産されています。