ペルシャ絨毯デザイン集、今回ご紹介するデザインは、花と花瓶をモチーフにしたヴェース・デザイン(ゴルダニ柄)とドーム・デザイン(モスク・デザイン)です。ヴェース・デザインは下記写真でもお分かりいただけるように、絨毯中央にメダリオンを配置しいない新興的なデザインで、花と小さな花瓶のモチーフが反復されている文様が大きな特徴です。ゴルとは花、ダニとは花瓶という意味合いであり、基本デザインは花と花瓶がセットになります。
もう一つのドーム・デザインについては、ペルシャ絨毯伝統的な中央にメダリオンを配し、まるでモスクの円天井を下から見上げたような、幾何学的なデザインが特徴的です。この放射状の幾何学な文様は非常に精巧であり、伝統的なスタンスをを継承しているイスファハンやナインなどの地域で積極的に作られています。
ヴェース・デザイン(ゴルダーニー)の特徴と魅力
ペルシャ絨毯には花が差し込まれた花瓶のモティーフがよく見られます。これは生命に欠かせない水を象徴するもので、楽園の思想につながるものです。
花瓶はペルシャ語でゴルダーン、花瓶文様はゴルダーニーと呼ばれますが、この絨毯のように小さな花瓶モチーフが反復されている文様は、とくにゼッレ・ソルターニと呼ばれています。ゴルとは花、ダニとは花瓶という意味合いになります。
モチーフが反復されている点でオーバーオール・デザインとは区別されますが、デザインの中央にメダリオンを配置しいない点では共通しており、ヴェース・デザインのもう一つの特徴でもあります
ドーム・デザイン(ゴンバディー)の特徴と魅力
ドーム(ペルシャ語ではゴンバド)とあ、丸屋根。美しい装飾タイルで飾られたモスクの天井を下から見上げた構図となっているため、このように呼ばれます。
メダリオンから放射状に網目のような文様が広がっていく様子が、遠近法を用いて表現され、独特の意匠となっています。モスクがテーマになっていることからモスク・デザインと呼ばれることも多いようです。
ドーム・デザインはトラディショナルなデザイン意匠であり、古都イスファハンやナイン、クムなどの伝統的な産地で多く作られています。