episode00-2009-fb-living-dining 家具インテリア・寝具のプロに聞く~メーカー編~
episode.00-2009 フランスベッド リビング家具・ダイニング家具

プロに聞く:フランスベッド リビングダイニング担当

フランスベッド株式会社 リビングダイニング担当 小野幹夫 氏

リビング家具・ダイニング家具インタビュー
フランスベッド株式会社
リビングダイニング担当 小野幹夫 氏

フランスベッド株式会社ではベッドに限らず、たくさんの生活に密着した商品を開発されています。今回はリビングダイニングの商品全般を担当されている小野幹夫氏に、インタビューを行わせて頂きました。
輸入ソファーやコーナーソファー、リクライニングソファー等を含めたソファやソファーベッドの魅力をたっぷり語っていただき、上手に使うコツや設置場所の注意点など、これからソファを選ばれる方にお得な情報をお聞きすることが出来ました。生活を彩るソファ選びのお役に立てれば幸いです。

※本記事は2009年1月掲載の内容になります。
※紹介商品は現在お取り扱いございません。

目次

最近のソファの流行と傾向

鈴木初めまして。本日インタビューをさせていただきます鈴木と申します。まずはお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?

小野初めまして、小野幹夫と申します。

鈴木普段はどのようなお仕事をされていますか。

小野仕事の方は、私どもの会社ではベッド以外にもリビングやダイニングなどの生活に密着した商品を取り扱う中、リビングダイニングの商品を担当しておりまして、マーチャンダイジング、企画から得意先から言われた企画を元にして商品を開発するという仕事をしております。それをどうやって売っていくかという方法の入り口から出口までのレール作りに携わる仕事をしております。

鈴木それでは、早速ですが、リビングに関してのご質問をさせていただきたいのですが、最近のソファの流行と傾向をお伺いしたいのですが。

小野ずっと基本的な部分がありまして、特にくつろぎという部分で、ソファに関しては一番大きなポイントになるかと思います。昔は、どちらかというと応接間というスペースにきちっとしたソファを置くスタイルが一般的だったのですが、例えば、マンションなどでもそうですが、リビングとダイニングが一緒になったスペースが多くなり、そういうところでリビングの在り方というのが以前と違い変わってきています。特にここ最近になってきますと、だんなさんが家庭に帰ってきた時、奥さんも遠出をして帰って来た時などのくつろぎをテーマにした商品が割りと増えてきている傾向ではあります。というところで、2004年もその傾向というのは続くと思います。

また、テレビはリビングルームに欠かせないものになりますが、薄型のプラズマテレビの登場により、昔のテレビよりだいぶ奥行きがなくなり壁に近づいた型のものになってきていますので、リビングのスペースが広く取れるようになったことから、リビングルームの家具はすこし大きめのサイズのものが流行りだしてきています。いままでは、マンションライフということでコンパクトなものが流れだったのですが、室内は意外と広く、入り口が狭いことが多く、なかなか搬入がしづらいなどといった問題はありますが、そういう部分はメーカーの方で対策を考えなければならないのですが、意外とリビングのスペースというのは広くなってきているのは事実で、それにともない少し大振りなものも増えてきていますので、そういう部分でくつろぎということをテーマにした商品というのがこれからもまた流行が続くのではないのでしょうか。また、ロータイプの商品にも注目がありまして、そのまま下に座ったりすることができますし、割と目線の低いソファというのが増えてきているというのが現状になります。あとは、リクライニング機能のついたソファなどのくつろぎ感の得られるものが流行になっているというのが現状ですね。

トレンドや需要の高いソファ

鈴木先ほどのお話の中でもあったのですが、流行の流れから現在のトレンドや需要の高いソファを詳しく教えていただきたいのですが。

小野先ほどお話させていただいたロータイプのもの、また、一番はリクライニング機能のソファになりまして、私どもの商品で“ツインゴ”という商品があるのですが、壁につけたままリクライニングすることができるので、スペースをとらないで機能できるソファが今かなり需要が高いですね。また、お部屋のテイストなどから見ますと、ベッド選びの場合よりもリビングダイニングの商品選びの方がお客様主導型の選び方になります。ベッドの場合、マットレスで決めることが多いのですが、リビングとかダイニングというのは、お客様がこの色じゃなければだめだよ、この座り心地じゃなければだめだよという部分で決めますので、色、サイズ、座り心地が重要になってきますのでそのあたりの部分がベッド選びと違う部分になります。トレンドと致しましては、リクライニングのもの、ロータイプのものがかなり出てきています。

鈴木人気のあるソファの色をお伺いしたいのですが。

小野人気があると言いますか、どうしてもお客様の方でお選びになる時、一番合わせやすいということで、革の素材のソファであれば、アイボリー、ベージュ系は人気がありますね。何故かと言うと、昔は汚れを落とすクリーナーがあまり無かったので、できれば汚れが目立たない濃いグリーンや黒などが多かったのですが、最近は汚れ落としの“レザーマスター”などのクリーナーがかなり出ていますので、お部屋の中を明るくしたいな、ちょっと広く見せたいなという意味ではそういうお色の方の人気は増えてきてはいますね。最近では、オフホワイトのような色もけっこうでてきていますね。

鈴木濃い色のソファに比べ、明るい色のソファは最近人気のリビングスタイルに多いナチュラルな雰囲気の空間にも合いそうですね。

小野そうですね。また、クッションなどで色をつけてみることでも印象をかえることができて、合わせやすさもポイントの一つですね。

鈴木風水の影響もあるかと思うのですが、イエロー色のソファが一時期とても人気が高かったように思うのですが。

小野イエローも結構多かったですね。今もでています。また、若い人ではオンリーワンのカラーを好まれる方が多いので意外と赤などを選ばれる方もいらっしゃいます。しかし、やはり、一般的に多いのはアイボリー、ベージュ系になりますよね。

鈴木ソファはお部屋の中で存在感のあるものなので、色選びによっては、お部屋を圧迫してしまうものもありますので、広くスッキリとした感じのお部屋にしたい場合は、やはりアイボリーやベージュ系の色は人気になりますよね。

小野氏お勧め商品

鈴木小野さんのお勧め商品を教えてください。

小野先ほどお話いたしましたリクライニングソファの“ツインゴ”というソファは、当初から業界の中でも早く先駆けて扱ったソファなのですが、分割タイプになりますので、お部屋の中への搬入もしやすいこととくつろぎという部分からも当社の中では人気のあるソファですね。また、ドイツから私どもが輸入しております“エルポ”というブランドのソファがあるのですが、たいへん存在感があるソファで、長く使えるという面があり、取り扱って13,4年位になります。普遍的なデザインで、以前10年位前にご購入されたお客様の家にお伺いしても、ほとんどおかしくなっていないソファでそういう意味ではとても自信を持ってお勧めすることができるソファだと思います。また、イタリアの“シャトーダックス”というブランドのソファを取り扱いしているのですが、割とふわぁとした座りのお好きな方には、お求め頂くことの多いソファですね。

鈴木ドイツやイタリアなどソファの有名な生産国がありますが、生産国によってそれぞれ特色の違いはありますか。

小野そうですね、一般的に言われているのが、イタリアのソファは割りとふわぁとした感じでやわらかいイメージがあって、ドイツのソファはカチッとしたかためのイメージがあるのですが、一概に言えない部分もありまして、イタリアでもかための商品もありますし、ドイツでも少しやわらかめの商品もあるのです。けれども、どちらかといいますと、中の違いが大きいようですね。中の構造にSバネを使うとかためになったりします。イタリアでも“フォルメンティ”というブランドのソファがありまして、とても厚い上質の皮を使用しているのですが、そのソファはイタリア製の中でもかための座りになりますね。それぞれのメーカーでの独自の作り方によって違いますので、一概には言えませんね。ただ、今日本に入ってきている一般的なソファになりますとそのような感覚は強いと思います。

鈴木張り地でも皮のソファの場合、イタリア製のソファは柔らかい皮でドイツ製のソファは少しかたいというイメージはありますね。

小野ドイツもイタリアももちろんそのような皮のランクというものがありまして、そのメーカーでもいろいろなランクがありまして、上質な皮を使用したものはもちろんドイツにもイタリアにもありますが、皮の良し悪しというのは、品質はピンからキリまでありますが、フランスベッドの方で取り扱っているソファはそういう部分ではいい皮を使用しております。

品質の良いソファは?

鈴木ソファは外見だけでは価格の違いがわかりにくい印象があるのですが、品質の良いソファはどのような点が違うのでしょうか。

小野基本的には、皮のソファだったら皮の質が一番の違いではないでしょうか。私どもの扱っているソファでは5mm厚の皮を使用したソファがあるのですが、日本ではほとんど取り扱いのない皮になりまして、皮だけを日本に輸入しますと一番厚い皮で1.8mm位の皮になります。ところが、私どもがイタリア、ドイツなどから入れている中で一番厚い皮で5mm厚というのを扱っておりますが、そう考えますと、日本ではまだ作れないソファなのですね。5mm厚の皮というのは、6歳まで専用に牛を育てるために、その分だけ牛の食料も与えなくてはなりませんので、すごく費用はかかっているのです。なおかつ、厚いですから、耐久性という部分では皮は伸びませんので、例えば、一般的なソファの場合1mmくらいの皮ですから、5mmと比べますと、伸び方は全く違います。耐久性でもとても自信を持っているソファです。また、内部構造ではなかなかソファというのは中を見ることができません。羽毛布団などもそうなのですが、中身を見られない状態で購入するわけですから、やはりお客様も不安だと思います。そういった部分では、フランスベッドの場合は、中身はどのようなものを使っていますということをカタログなどに提示をしています。できるだけビジュアルが見られるように中身の写真などもカタログに掲載したりしていますので、そういう意味では安心して使っていただけるのではないかと思います。ですから、安いから長持ちしないだとか、高いから長持ちするだというのとはまた違いますが、車の例を挙げますと、ベンツと日産の車の比較をしたとしても、ベンツの方が必ずしも長持ちするとは限らないのと同じで、ソファはステータス性な部分がありますよね。私どもはヨーロッパからのブランド商品と、私どものデザインした商品などを南アジアなどで開発輸入して取り扱うという2パターンで商品を市場に出しておりますので、そういう意味では安心して使っていただけるのではないかと思います。

鈴木内部の見ることができない部分の構造が表示や説明があると、丁寧ですよね。

小野内部の構造はなかなか見ることができない部分ではありますが、ただ、逆に内部構造というのはそんなに極端にはどこのメーカーでも変わらないのです。ですから、ある意味イタリアになりますとデザイナーを使ったデザイン性の部分が強いものや、ドイツなどでは人間工学に基づいた、より快適に座るにはどうしたらいいかということを考えられた内部構造を謳っていたりするものもありその辺りでまたイタリアとドイツの国民性の違いがあるのかと思います。

新作ソファを上手に使うコツ

鈴木新作の商品がありましたら、お伺いしたいのですが。

小野新作というのは毎年8月くらいには出揃うのですが、デザインのトレンドで和モダンといったモダンなのだけれども和が入ったものが増えてくるのではないかという事で去年くらいから徐々に流行ってきているので、ラインナップを増やしていこうかと思っています。続いてロータイプの商品では少し和の雰囲気を出した商品を手掛けていっております。私たちは、どちらかといえばリビングに関しましては後発メーカーなものですので、日本のメーカーさんが取り扱わないような商品、新しく、ちょっと変わっている需要想像型商品を開発しています。どうしても売れ筋、売れ筋という部分で需要対応型商品の売れ筋モデルを作ることはどこのメーカーさんでもやっていますので、例えば特許をとるような商品をいろいろと開発しています。

鈴木ソファに関してのご質問なのですが、お使いいただく時に、より長く、良い状態で使うためのポイントをお伺いしたいのですが。

小野沢山使って、すぐに買い換えて頂きたいのですが・・・(笑)。皮に関しましては、半年に一度でいいのでレザーマスターのひとつの保湿油でお手入れしていただきたいですね。皮がやはり乾燥してしまいますので、蘇らせるという部分で全体的に塗ってもらえるとぜんぜんもちが違ってきます。先ほどお話した、10年ソファを使われていてもなんともないお客様も1年に一回だけですが、かならずお手入れをしていたとお話されていました。そうしていただくことでだんだん皮もいい皮になればなるほどしっとり感や味が出て、馴染んで使う方が使いやすいような皮になってきます。また、ベッドではマットレスをローテーションして使えるのですが、ソファの場合は、意外と座る場所というのは決まってしまって、左側なら左側だけということが多いものですから、反対側に座るなどで一部分だけクッションがへたらないようにすることも大切だと思います。

ソファの設置場所について

鈴木設置する場所でも注意することはありますか。

小野日が当たる場所に設置する場合は、必ずレースのカーテンを閉めておいてもらうだけでだいぶ変わります。直射日光は皮や生地のソファの場合、変色の原因となりますのでさけて頂いた方が良いと思います。

鈴木構造のセールスポイントとしてコイルスプリング使用と表示されたソファがありますが、コイルスプリング使用のソファの長所を教えて頂きたいのですが。

小野どちらかというとコイルスプリングの場合、割と2,30年くらい前に流行った感じのソファが多いんですよ。弾力性の良いソファの構造にコイルスプリングを使う事が多く、ソファらしい感触です。最近では、主流はSバネやウェービングバンド(別名スネークバンド)になってきていて、コイルスプリングのソファは割と少なくなってきているというのが現状です。コイルスプリングの場合、音や一カ所にいつも座っている場合にコイルが出てきてしまうといった問題もあったものですから、この辺は製造上の関係でいろいろあるかと思うのですが、善し悪しというのは一概にはいえない部分がありますね。コイルスプリングが入っているからといってこの商品がいいということでもないんですよ。ちゃんとコイルスプリングを使っているメーカーさんはいいんですが、東南アジアなどから少しの数のスプリングが入っているだけでコイルスプリング使用という商品がたくさん入ってきていますので気をつけた方がいいのかもしれませんね。

フランスベッドのソファの生産国

鈴木御社でお取り扱いされているソファの主な生産国を教えてください。

小野ソファの方はヨーロッパに関しましてはドイツとイタリアが中心になります。パーソナルチェアーでは、ノルウェー、デンマークの商品を取り扱っております。家具ではソファから入ってきたのですが、スペインのものも取り扱っております。ヨーロッパの商品はヨーロッパのブランドを私どもが日本で取り扱う独占交渉の契約をしまして、ブランドを日本で販売しています。
ですから、日本ではこういう物がいいですよという提案をしたり、向こうからこういうはどうですかということで検討しながら、本物の良さ、本物のものを日本で取り扱っております。また、ブランド商品のほかに私どもで開発したものを近隣の諸国で作って日本に入れるという開発輸入商品もとり扱っており、2つのパターンで展開しております。

読者へ一言

鈴木最後にこちらを読んで頂いている方へのメッセージを頂ければお願いしたいのですが。

小野いつも私どものフランスベッドの商品をご愛顧頂きましてありがとうございます。フランスベッドは、ベッドだけではなく、皆さまの生活シーンにあわせたリビング、ダイニング、パーソナルチェアーなどの商品もご提案させていただいておりますので、より気持ちのいい快適な商品を作ることを心がけて提案して参りたいと思っております。これからもフランスベッドの商品を宜しくお願いいたします。

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