episode00-2009-fb-bed-mattress 家具インテリア・寝具のプロに聞く~メーカー編~
episode.00-2009 フランスベッド ベッド・マットレスの魅力

プロに聞く:フランスベッド 東京営業部 部長

フランスベッド株式会社 東京営業部 部長 木谷一彦 氏

ベッド・マットレスの魅力インタビュー
フランスベッド株式会社
東京営業部 部長 木谷一彦 氏

フランスベッド株式会社東京営業部 部長(2004年度)である木谷一彦氏にベッドやマットレスの魅力についてのインタビューを行わせて頂きました。これからベッドやマットレスを選ばれる方には非常に参考になるインタビューとなっておりますので、是非ともご覧くださいませ。

※本記事は2008年7月掲載の内容になります。
※紹介商品は現在お取り扱いございません。

目次

ベッドの流行について

鈴木初めまして。本日インタビューをさせていただきます鈴木と申します。まずはお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?

木谷初めまして、木谷一彦と申します。

鈴木木谷さんの普段されているお仕事の方をお伺いしたいのですが、よろしいでしょうか?

木谷現在、東京営業課といいまして、東京都、神奈川県、千葉県、山梨県をエリアとしているのですが、そちらの管轄を受け持たせていただいております。こちらのエリアの中に私の管轄している営業所が9つありまして、それぞれの営業所の売上予算、利益予算が達成出来るように戦略を立て実行をし、結果を検証し対策を立てるというのが大まかな仕事となります。具体的には、管内のお得意様(家具専門店、寝具インテリア点、デパート、量販店など)への販売促進が主ですが、最近は催事(インテリア展など)の企画・運営もウェートが高くなっています。

鈴木それでは、ベッドの方のお話をお伺いさせていただきたいと思います。まずは、はじめにベッドの最近の流行についてお伺いしたいのですが。

木谷そうですね。今、ベッドに限らず家具全般に言えることなのですが、お客様のニーズが多様化している中で、確かにいろいろな商品も多い中で、例えば、ベッドの場合、フレームとマットレスと2つに分かれているのですが、フレームの方は床から少し浮かして、具体的に申しますと、掃除機が入るような空間が空いた商品というものが最近の流行のデザインになりますね。10年位前はそれほどお客様はおっしゃらなかった事でしたが、最近では、特にそういった下が空いているタイプという商品も目立ってきています。また、根強く人気のあるものは、特に東京周辺であれば、下に引き出しのついた収納スペースがあるフレームですね。また、特に色味に関して言えば、一時、ナチュラル色の薄い色も流行りましたが、最近では、またウォールナット系の濃い色(ウェンジ色)も、ベッドに限らずダイニングボードやリビングボードにも増えて参りました。その辺りが最近の傾向だと思います。

鈴木マットレスに関しては、お客様の好まれる硬さや軟らかさは人それぞれになるかと思いますが、マットレスにも硬さの流行のようなものはあるのですか?

木谷現在、皆さんご存知のように消費の二極化といわれる中で、価格が安ければいいという方、反面、眠りにこだわり、少しお値段が高くてもいい物を使いたいという方も非常に増えてきていますので、そういった中で、ただ単に硬いマットレス、軟らかいマットレスということではなくて、ご自分にあったマットレスを真剣に選ぼうとしている方が大変多いですね。

人気ベッドについて

鈴木御社商品の中の人気商品を教えていただきたいのですが。

木谷マットレスに関して言えば、マットレスのスプリングの上の詰め物という素材に、“低反発フォーム”という独特な素材を使った商品がありまして、一般の消費者の方は枕でご存知の方が多いと思いますが、その素材を5年程前からマットレスの詰め物に採用した商品を発売してきました。お陰様で購入されたお客様からもどんな寝姿勢でも、身体全体の凹凸に微妙に反応しフィットするので熟睡できると好評です。

鈴木フレームに関しての人気商品も詳しく教えていただきたいのですが。

木谷先ほどお話いたしました、下が空いているタイプ以外には、シングルを二台、あるいはシングルより少し小さめのSSサイズを二台ピタッとくっつけて使用して、シングル2台でしたら、キングサイズ、SSサイズ2台でしたらクイーンサイズとしての使い方ができるベッドというのもフレームとしてはかなり増えてきていますね。

鈴木ヘッドボードのデザインは、どのようなデザインが人気が高いのですか。

木谷出荷ペースで言いますと、オーソドックスな、昔からあるようなデザインのものは今でも根強いです。逆にシンプルでスクエアな、直線を基調としたラインのフレームも最近は非常に人気がありますね。私どものシリーズでは“エスプリシリーズ”というシリーズがありますけれども、非常に一つ一つの商品にこだわってデザインを起こした形のベッドになりまして、そちらのベッドも特にお若い方を中心に、少々お値段は高くはなっていますが、デザインが好評のベッドになりますね。最近はマットのみならず、フレームにも非常にこだわるお客様が多くなっています。

鈴木木谷さんのお勧め商品を教えてください。

木谷ベッドの場合、寝心地を左右するものはマットレスになりますので、マットレスに関しては、私も展示会等で毎回いろいろなお店のお客様にお勧めしているのは、やはり低反発マットレスですね。横になっていただいて、寝心地を試し見てもらうととてもご納得されてご購入いただいております。フレームに関しましては、お客様にまずご要望をお伺いいたしまして、最初から引き出し付きがほしいというお客様もいらっしゃれば、下のスペースが空いたベッドを希望されるお客様もいらっしゃいます。また、色のご要望もございますので、やはりお部屋の中でコーディネートされて、色を決めていらっしゃる場合もございまして、まずはご要望をお伺いし、アドバイスを求められる場合は、お部屋の中の他の家具や床の色とのバランスでアドバイスさせていただくようにしています。

マットレスについて

鈴木(以前御社のPR広告で拝見したのですが、)マットレスの軟らかさ、硬さの好みが柔らかめが今は人気と掲載されていたのですが、実際そうなのでしょうか。

木谷一概にそうとも言えないですね。マットレスの硬さというのは、数年前までは硬ければ硬いほどいいという思いのお客様も多かったですし、特にご年配の方には、そのように思われている方が多いようです。硬ければいいのであれば、畳の上にそのまま寝てしまうことが一番いいということになりますので、決してそうではないということは、体の曲線を吸収してくれて、耐圧分散が細かくできるようなマットレスというのがやはりベストだと思います。その辺りは、実際に商品で横になっていただいて、体感していただく、特に上を向くだけではなく、女性の方に最近多い、横向きに寝られる姿勢も試していただいて、横を向いた時に、ある程度ソフトな感触で体を包み込んでくれるようなマットレスの方が寝心地は良くなると思います。

鈴木私も横向きの姿勢をとって寝ることが多いのですが、肩口がだいぶ圧迫される感じはありますよね。

木谷以前、低反発ウレタンという素材が出る前は、確かに私どもでもマットレスの硬さが選べる商品なんかもありまして、寝姿勢コンピューターの寝姿勢測定器というもので、おおまかに柔らかめ、硬め、普通と3つのランクに分けて判定して、お客様は硬めがいいですよ、柔らかめの方がいいですよという区別の仕方ができるものを使って販売していたのです。それはやはり、スプリングの上に入れる詰め物というものの素材によって硬さを調節することができますので、それを使った販売をしてきました。しかし、低反発ウレタンという素材は、例えば、寝姿勢測定器でどういう判定の結果が出たとしても、その方、その方で一番、楽な状態で体を支えてくれるという大きな特徴を持った素材なります。当社の低反発フォームマットレスはバリエーションも豊富で全て通気性の優れたタイプですので、必ずお客様にご満足頂けるものと確信しております。

鈴木お勧め商品の低反発マットレスですが、御社で開発されているスプリングと合わせた仕様となっているのですよね。

木谷そうですね。ただいま素材のことをお話いたしましたが、フランスベッドで一番、他社のメーカーさんにない特徴というのは中のスプリングなのです。通常スプリングということをお話いたしますと、一般の消費者の方は、つづみ型になったバネしか印象が浮かばないと思いますが、私どもでは“高密度連続スプリング”というひとつの硬鋼線をですね、編み上げてスプリングユニットとして作る技術を持っており、これは日本ではフランスベッドだけの機械になりますので、他社さんにはないスプリングなのです。そのスプリングの特徴というのは、ひとつの硬鋼線で編み上げていますから、特に一番重さのかかるマットレスの中央部が、普通の連続スプリング以外のスプリングマットレスでは重さがかかることでへたりがその部分から先にきてしまうのですが、私どもの一本の硬鋼線で編み上げる連続スプリングを使うことによって部分的な落ち込みがしにくいという特徴はあります。分かりやすく言いますと、へたりにくく、勝ったときの快適な寝心地が、より長く保たれるという事です。。ただいま高密度連続スプリングの良さを耐久性ということで申しましたけれど、もう一点のメリットと致しましては、通気性が挙げられます。他社のメーカーさんで多いポケットコイルというスプリングがございまして、ポケットコイルにはポケットコイルの良さもあります。しかし、通気性という面から見ますと、日本のような湿気の多い気候風土になりますと、ポケットコイルの袋の中に湿気がこもりやすいという弱点がございますから、その点では、私どもの高密度連続スプリングというのは、編み上げた状態でございますので、非常に通気がいいですね。やはり、寝具の条件として耐久性も大切になりますが、通気性や衛生面も非常に重要な要素ですので、その点も他のメーカーさんにはない私ども独自のセールスポイントになります。

ホルムアルデヒド対策について

鈴木ただいま衛生面というお話がありましたが、他にホルムアルデヒド対策などの健康面で配慮されていることやマットレスの衛生面に関することで取り組まれていることがありましたらお伺いしたいのですが。

木谷これに関しましては、低ホルマリンなどの商品が最近、非常に増えてきています。お客様の方もそういうものも指定されて探されている方も増えていらっしゃいますので、私どももこれからもどんどんそういったものを増やしていこうと思っております。また、マットレスも抗菌・防臭・防ダニ加工と低反発ウレタンマットレスも含めまして、詰め物に関しては、当然、オールニュー(新品)の詰め物を使っております。詰め物に再生綿を使いますと、価格は安いのですが、当然、非衛生的です。また、抗菌・防臭・防ダニ加工マットレスにはマットレスの表面に表示されていますし、日本ベッド工業会加盟のベッドメーカーさんのマットレスには衛生シールが貼ってありますので、そちらの表示も目安としてお選び頂けたらいいのではないかと思います。

鈴木新しく発売された商品がありましたら、教えてください。

木谷そうですね、私どもはメーカーになりますのでどんどん新しい商品が開発されていますね。最近では、回転・リクライニング機能を持った円形ベッドや、ペット用のベッドフランスペットはマスコミでもかなり取り上げられました。マットレスの中にモーターを内蔵し、自立で可動する画期的なリラックスマットルーパームーブは是非、一度お試し頂きたい商品です。

マットレス選びのポイント

鈴木ベッドを選ぶときのポイントを教えていただきたいのですが。

木谷やはりマットレスですね。これが一番重要になりますので、私どもが口で説明させていただくより、まずは実際に展示会などで横になっていただいて、ご自分でいろいろ試していただくことが一番大切です。ちょっと寝たくらいでは分からないとお話されるお客様も、それでもやはり横になっていただくことをお勧めいたします。座っただけ、ひざで押されただけで選ばれることとではまったく感触が違うのです。例えば、みなさん車をお買い上げになる時には試乗されるのと同じように、売り場で横になっていただいて、寝返りをうってみてください。ベッドはすぐに買い換えるものでもなく、毎日使っていただくものですから、ぜひお試しいただければと思います。

鈴木マットレスのお取替えの年数は大体どの位になるのでしょうか。

木谷例えば、家電製品ではだいたい10年とか、テレビでは7,8年経つと画像が悪くなったりという現象で判断されてお買い替えされるようなのですが、ベッドの場合は体に馴染んでいくということがありますから、極端に腰の部分が部分的に落ち込まない限りはお使いいただけるとは思います。ただ、平均的には10年前後くらいで買い換える方が多いと思います。私どもも10年くらい使っていただいた頃、そろそろ買い替えの時期ではないですかとお話いたします。また、一番重要なのは、年に4回くらいマットレスの裏表、前後をローテーションして使っていただくことです。車のタイヤのローテーションと同じような感覚で位置を変えていただくことで耐久力はかなり変わってきますので、ご面倒でもマットレスのローテーションはやっていただいた方がいいですね。

マットレスの質、厚さについて

鈴木スプリングマットレスでもその厚さはまちまちですが、厚みの違いはどのような使用効果の違いがあるのでしょうか。

木谷先ほど私どものスプリングは高密度連続スプリングと申しましたけれど、そのスプリングもですね、何種類かありますので、消費者の方に分かりやすいのは、厚めになればなるほど、私どもの商品の中では耐久性は良くなって、へたりにくさはありますね。一方の薄いマットレスの耐久性が悪いのかというわけではありません。よりこだわっていただければ、厚めのマットレスというのは、耐久力はありますね。

鈴木厚みがあるマットレスの方が耐久性が良くなるということで、ダブルクッションのスプリングのベッドは耐久性の面から見ましたら耐久性は高いのでしょうか。

木谷本来はベッド自体の耐久力が良いのは2枚のマットレスで受けるタイプのダブルクッションのタイプと1枚のマットレスで受けるタイプのシングルクッションタイプとでは、ダブルクッションタイプの方が長持ちはします。そのいい例が、ホテルのベッドですね。ほとんどのホテルではダブルクッションの構造のものを使っています。当然、人間の体重を1枚のマットレスで受けるのと2枚のマットレスで受けるのとでは、2枚の方が負担は少ないですから、2重クッションというのは耐久力はありますね。また、ダブルクッションの良さは通気性です。マットの下のボトムの部分もスプリングになっておりますので、通気は良くなります。私が入社して、20数年になりますが、その当時は8割くらいは2重クッションでした。急激にその後、引き出し付きの商品の需要が増えていきました。またもう一点は、2重クッションの場合は座ったときの感じはクッション感が強いですから、当時マットレスは硬ければいいという、今の原理とはちょっと違いますが、そのような傾向が出てきたことから、一枚マットのシングルクッションが増えてきたと思いますね。

鈴木お二人で就寝される場合のベッド選びでお二人の体格が違う、就寝時間が違うという悩みを解決してくれるベッドはありますか。

木谷理想的な形はシングル2台のツインという形が寝返りや就寝時間がご夫婦で異なる場合でも気にする心配もありませんので一番理想的ですね。どうしてもスペースの関係で入らないという場合は、ダブルよりはワイドダブルサイズの方が楽ですよ、とお勧めしています。ワイドダブルサイズであれば、ダブルサイズより14センチ大きくなりますので、寝返りを打たれても肩と肩があたりづらく気になりにくいと思います。

読者への一言

鈴木最後にこちらを読んでいただいている方にメッセージを頂きたいのですが。

木谷東京近郊で、私どもの主催する展示会が毎月どこかで行っておりますので、そういった機会をご利用なさって、実際に商品に寝ていただいて、体感していただいてそしてご納得いただいてお選びいただければと思っております。私どももそういうお客様に対して適切なアドバイスをさせていただきまして、買っていただいた後も後悔して頂かないようなものをすすめていきますし、これからもそういった喜んでいただける商品を作っていきたいと思っておりますので、是非展示会でお待ちしておりますので、宜しくお願いいたします。

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